EY Japan、「第2回 学生ルール形成アイデアコンテスト」優勝は LLP GTIE グループに決定
●社会平和、政治、新しい働き方、世の中にイノベーションを促すテーマなど幅広くルール形成のアイデアを募集し、100近くの団体がエントリー
●優勝団体は、「夢を持ち、自分で社会を変えられる」という新たな規範を生み出すことを志向し、ルール形成アイデアを具体的に提言
EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長 近藤 聡、以下EYSC)は、若者ならではの視点で社会を変えるアイデアを募集する「第2回 学生ルール形成アイデアコンテスト」の最終結果を発表しました。
本コンテストには、94団体376名からの応募があり、1次審査を通過した3団体により、12月6日にEY日比谷オフィスのEY wavespace™で最終プレゼンテーションが行われました。優勝、準優勝、3位の団体には、賞金が授与されたほか、今後、日本国内の政党青年局などへ向けたプレゼンテーションが予定されています。
優勝、準優勝、3位は以下の通りです。
■優勝
●タイトル:「夢教育のインフラ整備」~「夢持ち行動する人口」を増やす~
● 団体名:LLP GTIE グループ
● メンバー:早稲田大学 浅野 充輝 氏/早稲田大学 三ツ谷 寛羽 氏/東京科学大学 足立 零生 氏
● アイデア概要:「夢コーチング」と呼ばれる教育プログラムを義務教育段階から導入することにより、日本の若者が夢を見つける機会を提供するとともに、それに向かって行動する能力を養う仕組みを提言。本プログラムでは、学校教育法の改正や学習指導要領の見直しを通じて、小中学生の発達段階に応じた3段階の取り組み(Explore・Experience・Extend)を提案。具体的には①「答えを提供しない環境づくり」、②「学校側の積極的な機会提供」、③「夢のクラウドデータ化」の3つの柱からなるシステムを整備することで、教育効果を最大化する仕組みを提言している。
● 評価ポイント:「日本は夢を描く経験の歴史が浅いが故に夢を描く能力が育っていないのではないか?」という斬新な課題仮説に基づき、夢を持つ若者が少ないという点を日本固有の社会課題として独自に定義した。「小学生の段階から自分で国や社会を変えられる自己肯定感を養わせる」という新たな規範を生み出すことに対して、具体的な解決策を示した点を評価。特に、「夢」という概念が比較的新しい概念であり、その定義も曖昧であることに問題意識を持ち、そこから「選択肢を広げるルール形成」にまで昇華させた点が評価できる。また、「夢」という普遍的なテーマを軸に、国内外で広がりのある教育モデルを構築する可能性も高く、日本社会全体のイノベーションと挑戦文化の発展を後押しするアイデアとなっている。社会的な共感を呼び起こし、長期的にはEYのパーパスである「Building a better working world」にも寄与することが期待される。
■準優勝
● タイトル:立候補したい会社員が立候補できる社会の構築に向けた提言
● 団体名:早稲田大学雄弁会
● メンバー:早稲田大学 小林 駿斗 氏/早稲田大学 島倉 奏太 氏/早稲田大学 枦木 仁哉 氏
● アイデア概要:「立候補したい会社員が立候補できる社会」を実現するためのルール形成アイデアとして、「①選挙費用の不足、②選挙運動のための時間の不足、③当選後に仕事を辞める必要性」という会社員が立候補する際に直面する3つの障壁を解消する政策を提言。①に対しては、公職選挙法を改正してネット選挙費用を公費負担する仕組みの導入。②に対しては、有価証券報告書への立候補休暇制度の利用状況記載を義務付けるCSR推進。そして、③については、「在籍型出向制度」を整備することで、議員任期後の復職を容易にするアイデア。これにより、労働者の全体に占める割合の高い「会社員」による政治参加のハードルを下げるとともに、「会社員」出身者が多数派を占める議会の増加を効果として期待。
● 評価ポイント:「会社員による立候補」を当たり前にする新たな規範を構想した上で、それを実現するためのアイデアを詳細に具現化した点を評価。特に、既に存在する立候補休暇制度からさらに踏み込んだ点が評価できる。また、企業と政治の双方に利益をもたらす「政民リボルビングドア」構想が特徴的であり、社会的・経済的なインパクトも期待できる。さらに、ISO26000を活用して国際的な企業責任基準の見直しを求めるアイデアは、調達基準においてISOを重視する大企業をてこに中小企業を巻き込む可能性にまで踏み込んだ仕掛けとして評価ポイントとなった。
■3位
● タイトル:失われた国際競争力を取り戻すためのNPO法改正
● 団体名:一般社団法人ルール形成戦略機構
● メンバー:東京大学 岩渕 士和 氏/東京大学 東 真優 氏/東京大学 伊礼 理貴 氏
● アイデア概要:特定非営利活動促進法(NPO法)の改正を通じて、学生団体がNPOを法人化できる選択肢を提供し、資金難で活動が制限されている学生団体が社会的信用力を得て企業からの寄付を受けやすくし、その潜在能力を最大限引き出すことを目的とした提言。具体的には、手続きやノウハウ提供に関する優遇措置が講じられる「学生特別枠」をNPO法の中に新設し、役員変更手続きの簡略化、相談窓口の特別設置、そして教育・トレーニングプログラムの無償提供などによって、「高頻度でのメンバー入れ替え」や「ノウハウの欠如 」に対応することを狙ったアイデアとなっている。
● 評価ポイント:さまざまな社会貢献活動に取り組んでいる学生団体の資金難を解決し、法的に組織化された集団を存続させながら成果を発揮するための試行錯誤に専念できる環境をつくることで、若者が持つ能力に対する国際競争力の向上を狙おうとする着眼点を評価。制度改正の実現性を踏まえ既存の法律に「学生特別枠」を設けることで、学生団体特有のニーズに応えつつも、悪用防止のための条件や運用指針を詳細に示している点も優れている。さらに、NPO法人化に伴う副次的なメリット(助成金申請の拡大やツール利用のコスト削減)を提示しており、実現可能性と社会的インパクトの両方を備えた政策提言となっている。
コンテストの詳細については、下記ページからご確認いただけます。
審査結果発表 - 第2回 学生ルールアイデアコンテスト | EY Japan
EYSC 代表取締役社長 近藤 聡のコメント:
「今回の入賞アイデアは、現代の学生が抱える社会課題への深い洞察と、それに基づく具体的かつ実現可能な提案が際立っていました。私たちは、学生が示したこのような社会を変えたいという強い志を尊重し、EYとして培ってきた知見やネットワークを生かして彼らを支援していきたいと考えています。これからも、このような取り組みを通じて、学生の革新的なアイデアが社会に実装される機会を増やし、より良い社会の構築に貢献してまいります」
EYSC ストラテジック インパクト パートナー 國分 俊史のコメント:
「前回を上回る数のエントリーが寄せられ、多くの学生がルール形成による社会変革に強い関心を持っていると実感しました。入賞したアイデアはもちろん、他の多くの提案からも、若者ならではの視点から社会課題をどのように捉えているのか、多くの気づきを得ることができました。優勝した提案をはじめとするいくつかのアイデアについては、若者の声を重視する議員への政策提言を具体的に進めてまいります。本取り組みが、学生の『社会をより良くしたい』という思いを具現化する一助となると確信しています」
〈EYについて〉
EY | Building a better working world
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150カ国以上に展開するEYのチームは、データとテクノロジーの実現により信頼を提供し、クライアントの成長、変革および事業を支援します。
アシュアランス、コンサルティング、法務、ストラテジー、税務およびトランザクションの全サービスを通して、世界が直面する複雑な問題に対し優れた課題提起(better question)をすることで、新たな解決策を導きます。
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