リンヴォック30mg、12歳以上のアトピー性皮膚炎小児患者さんへの治療薬として承認事項一部変更承認を取得
2024年9月24日
アッヴィ合同会社
アッヴィ、「リンヴォック(R)錠」(ウパダシチニブ水和物)30mgの用法および用量について、既存治療で効果不十分な12歳以上のアトピー性皮膚炎小児患者さんへの治療薬として、日本における承認事項一部変更承認を取得
ー 「リンヴォック(R)錠」(ウパダシチニブ水和物)は 1 日 1 回経口投与するヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤であり、アトピー性皮膚炎を含む7つの適応症に対する治療薬として承認を取得
ー 中等症から重症の12歳以上の小児および成人アトピー性皮膚炎患者さんを対象とした、国内および2つの国際共同試験のデータから得られた結果に基づく承認
ー 本承認により、12歳以上のアトピー性皮膚炎小児患者さんに対する新たな治療選択肢を提供
アッヴィ合同会社(本社:東京都港区、社長 : ジェームス・フェリシアーノ)は、本日、既存治療で効果不十分な12歳以上のアトピー性皮膚炎小児患者さんに対する1日1回投与、リンヴォック 30mgの用法および用量について承認事項一部変更承認を取得しました。リンヴォックは1 日 1 回経口投与する低分子のヤヌスキナーゼ(JAK) 阻害剤で、 アトピー性皮膚炎を含む7つの適応症に対する治療薬として承認を取得しています。リンヴォックは 2021 年 8 月に、既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎を効能又は効果として製造販売承認を取得しています。本承認により、12 歳以上かつ体重 30kg 以上の小児に対し、リンヴォック15mgに加え「リンヴォック30mg1日 1 回経口投与」が可能となります。
アトピー性皮膚炎は、慢性で再発を繰り返す炎症性疾患です。かゆみの症状と掻破行動を繰り返すことにより、皮膚がひび割れ、鱗状となり、滲出液が出るのが特徴です1,2。広範囲におよぶ皮疹や強いかゆみによって睡眠障害や抑うつ症状等が現れることもあり、患者さんの生活の質(QOL)低下や社会生活に影響を及ぼすことがあります3。アトピー性皮膚炎の主な症状はそう痒症(皮膚に発疹など目立った症状がなく、かゆみを感じる病気)です3。アトピー性皮膚炎は顕著なかゆみを伴うことが多く、患者さん全体の 60%、症状が増悪した患者さんの 83%に睡眠障害が認められています4 。かゆみ等のアトピー性皮膚炎の症状による睡眠障害は、小児アトピー性皮膚炎患者さんの成長に影響を及ぼすと考えられています5。
近年、中等症以上のアトピー性皮膚炎に対する治療として、成人のアトピー性皮膚炎患者さんに対しては、さまざまな治療選択肢が増えています。一方で、中等症以上の小児アトピー性皮膚炎患者さんに対する治療薬はいまだ限定されているのが現状です。本承認により、小児アトピー性皮膚炎患者さんに対しても「30mg1日 1 回経口投与」という新たな治療選択肢の提供が可能となります。
本承認事項一部変更承認の取得は中等症から重症の成人および青少年アトピー性皮膚炎患者さんを対象とした、国内第 III 相試験(M17-377 試験)のほか、2つの国際共同第 III相試験(M16-045 試験および M16-047 試験)の結果に基づいています。
リンヴォック(R)錠 製品概要(下線部:今回の改訂箇所)
販売名 |
リンヴォック(R)錠45mg、同30mg、同15mg、同7.5mg |
一般名 |
ウパダシチニブ水和物 |
効果又は効能 |
既存治療で効果不十分な下記疾患 〇関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む) 〇乾癬性関節炎 〇X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎 〇強直性脊椎炎 〇アトピー性皮膚炎 〇中等症から重症の潰瘍性大腸炎の寛解導入及び維持療法 (既存治療で効果不十分な場合に限る) 〇中等症から重症の活動期クローン病の寛解導入及び維持療法 (既存治療で効果不十分な場合に限る) |
用法及び用量 |
<関節リウマチ> 通常、成人にはウパダシチニブとして15mgを1日1回経口投与する。 なお、患者の状態に応じて7.5mgを1日1回投与することができる。
<乾癬性関節炎、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎、強直性脊椎炎> 通常、成人にはウパダシチニブとして15mgを1日1回経口投与する。
<アトピー性皮膚炎> 通常、成人及び12歳以上かつ体重30kg以上の小児にはウパダシチニブとして15mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態に応じて30mgを1日1回投与することができる。
<潰瘍性大腸炎> 導入療法では、通常、成人にはウパダシチニブとして45mgを1日1回8週間経口投与する。なお、効果不十分な場合はさらに8週間投与することができる。 維持療法では、通常、成人にはウパダシチニブとして15mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態に応じて30mgを1日1回投与することができる。
<クローン病> 導入療法では、通常、成人にはウパダシチニブとして45mgを1日1回12週間経口投与する。 維持療法では、通常、成人にはウパダシチニブとして15mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態に応じて30mgを1日1回投与することができる。
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リンヴォックについて
アッヴィが自社開発したリンヴォックは、低分子の選択的 JAK 阻害剤で、複数の免疫関連疾患の治療薬として開発が進められています。本剤は機能的選択性を示し、JAK2 のペアを介してシグナルを伝達するサイトカイン受容体と比較して、JAK1 または JAK1/3 を介するシグナル伝達を優先的に阻害します6。リンヴォックは 2020 年 1 月に、既存治療で効果不十分な関節リウマチの患者さんに対する治療薬として日本における製造販売承認を取得しました。また、2021 年 5 月には既存治療で効果不十分な乾癬性関節炎、同年 8 月には、既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎、2022年 5 月には既存治療で効果不十分な強直性脊椎炎、同年 9 月には既存治療で効果不十分な中等症から重症の潰瘍性大腸炎の寛解導入及び維持療法、2023 年 2 月には 既存治療で効果不十分なX 線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎、2023 年 6 月既存治療で効果不十分な中等症から重症の活動期クローン病の寛解導入療法、および維持療法の治療薬として、適応追加承認を取得しました。2024年9月、12 歳以上かつ体重 30kg 以上の小児に対し「リンヴォック30mg1日 1 回経口投与」としても承認を取得しました。
アッヴィについて
アッヴィのミッションは現在の深刻な健康課題を解決する革新的な医薬品の創製と提供、そして未来に向けて医療上の困難な課題に挑むことです。一人ひとりの人生を豊かなものにするため次の主要領域に取り組んでいます。免疫疾患、がん、精神・神経疾患、アイケア、さらに美容医療関連のアラガン・エステティックスポートフォリオの製品・サービスです。アッヴィの詳細については、www.abbvie.com をご覧ください。Facebook、Instagram、X(旧Twitter)、YouTubeやLinkedInでも情報を公開しています。
日本においては主に、免疫疾患、肝疾患、精神・神経疾患、がん、アイケアの領域、さらに美容医療関連のアラガン・エステティックスのポートフォリオで、製品の開発と提供に取り組んでいます。アッヴィの詳細については、www.abbvie.co.jpをご覧ください。FacebookやYouTubeでも情報を公開しています。
1.Nutten S. Atopic Dermatitis: Global Epidemiology and Risk Factors. Ann Nutr Metab 2015;66(suppl 1):8–16.
2.Bieber T. Atopic dermatitis. Ann Dermatol. 2010;22(2): 125-37
3.Williams HC. Clinical practice. Atopic dermatitis. N Engl J Med. 2005;352(22):2314-24.
4.Camfferman D, Kennedy JD, Gold M, et al. Eczema and sleep and its relationship to daytime functioning in children. Sleep Med Rev. 2010;14(6):359-69.
5.Silverberg JI, Garg NK, Paller AS, et al. Sleep disturbances in adults with eczema are associated with impaired overall health: a US population-based Study. J Invest Dermatol. 2015;135(1):56-66.
6.RINVOQ [Summary of Product Characteristics]. AbbVie Deutschland GmbH & Co. KG; May 2021. Available at: https://www.ema.europa.eu/en/documents/product-information/rinvoq-epar-product-information_en.pdf