漢字二文字の独創性を評価する「ベストストーリーテリング賞」に大阪産業大学附属高等学校が初受賞!
高校ダンス部日本一を決定する「DANCE CLUB CHAMPIONSHIP」と「漢検協会」がタッグ
2024年8月22日
公益財団法人 日本漢字能力検定協会
「日本漢字能力検定」を主催する公益財団法人 日本漢字能力検定協会(本部:京都市東山区/代表理事:山崎信夫/以下、当協会)は、エイベックス・アライアンス&パートナーズ株式会社(本社:東京都港区、
代表取締役社長:丹雅彦、以下、AAP)が主催する「avex presents DANCE CLUB CHAMPIONSHIP(第12回全国高等学校ダンス部選手権/以下、DCC)」にて、本年度から新設された漢字二文字の作品テーマを評価する「ベストストーリーテリング賞」の受賞団体を決定しました。大阪産業大学附属高等学校の「人為(いつわり)」へ表彰を行います。
決勝大会出場校が漢字二文字で表現する作品テーマに対し、「漢字への理解をどのように表現するのか」という観点で審査を進めました。
ベストストーリーテリング賞を受賞した大阪産業大学附属高等学校
DCCの審査に当協会が協力する背景
AAPは、今年で12回目を迎える全国の高校ダンス部の頂点を競い合うDCCを2013年より開催してきました。開催当初より、“漢字二文字”で表したテーマをダンス作品で表現して競うことを特徴としています。
また、当協会は、「今年の漢字®」や「今、あなたに贈りたい漢字コンテスト」といったイベントやコンテストの開催を通じて、日本語・漢字の奥深さや面白さを広く啓蒙する活動を行っています。
当協会はこの度、DCCの“他の文字文化には無い「漢字」だからこそ伝えられる奥深さや独創的な表現の幅の可能性を追求していきたい”という文化的、教育的意義に賛同し、“漢字二文字”の作品テーマの審査に協力することとなりました。
「ベストストーリーテリング賞」受賞校
大阪産業大学附属高等学校(大阪府)
作品テーマ:『人為/いつわり』
テーマ説明:
気づかぬ内に良い顔ばかりをする
仮面をつけてしまっていませんか?
それは、他人を傷付けない為なのか。
それとも自分を傷付けない為なのか。
正体を隠して上辺を取り繕う。
良い顔をして、人の心に傷をつけて
逃げるようなやつを私は許さない。
審査員コメント
【人】と【為】を組みあわせると【偽】になることに着目し、「気づかぬうちに良い顔ばかりする仮面」に現れる偽善性をクローズアップする視点が秀逸と感じられました。人の本質を巡っては古くから性善説と性悪説があり、漢字では性善説が【人】+【言】(ことば)=【信】(まこと)に、性悪性が【人】+【為】(おこなう)=【偽】(いつわり)に具現化されます。人間の本質を鋭くとらえるこの認識がダンスのテーマに投影され、多感な時期ならではの悩みが、肉体的躍動によって昇華されてゆくことを願います。
最終選考まで進んだテーマには、「唄鱗(セイレーン)」などユニークな作品や、「夢溢(ゆめだらけ)」「走破(ランナウェイ)」など高校生ならではのアグレッシブな作品もありました。みなさんの思いを表現した漢字二文字を評価することはとても難しかったのですが、漢字や言葉の意味が、惜しくもテーマ読み・テーマ説明と不一致な部分が見られました。
「唄鱗(セイレーン)」では、「歌」ではなくなぜ日本の民謡を想起する「唄」を選んだのか、「夢溢(ゆめだらけ)」では肯定的に使われる「溢(あふ)れる」を、否定的な意味合いが強い「だらけ」としたのはなぜか、「走破(ランナウェイ)」ではなぜ「走り通すこと」という意味の走破に、「逃げること」という意味のランナウェイと読ませているのかなど、皆さんが漢字とテーマにかけた思いを想像しながら審査に臨みました。
第 12 回大会より新設された賞で通常の審査とは異なる視点になりますが、漢字や言葉の意味と、皆さんが表現したいイメージを繋ぎ合わせる視点を持っていただくことで、ダンスそのものの表現力・独創性を高めることに貢献すると信じています。
審査員 :山崎信夫(日本漢字能力検定協会 代表理事)
阿辻哲次(漢検 漢字博物館・図書館館長、漢検 漢字文化研究所所長、京都大学名誉教授)
『第12回全国高等学校ダンス部選手権 | DANCE CLUB CHAMPIONSHIP』概要
DCCは、全国高等学校のダンス部の頂点を決めるダンスのイベントです。漢字二文字に込められたテーマの表現力、技術力、独創性などを競います。(公式サイト: https://dcc.avex.jp/)