画家が見つめる、静物画のふしぎ ー愛らしい伊豆の仏像も展示
上原美術館のコレクションから、よりすぐりの作品をご紹介する上原コレクション名品選。近代館で開催する企画展『もののありか―静物画のふしぎ』は、画家のまなざしを通じて捉える静物画の不思議な魅力に迫ります。
仏教館は、当館の仏教美術コレクションとともに、伊豆に伝わるのびやかな造形の仏像をご紹介いたします。
展覧会概要
1)展覧会名 【近代館】 企画展 もののありか ―静物画のふしぎ
【仏教館】 企画展 都の祈り 伊豆の祈り
2)会期 2024年4月27日(土)~9月23日(月・休) 146日間 *会期中無休
3)開館時間 9:30–16:30(最終入館は16:00まで)
4)会場 上原美術館 近代館・仏教館
〒413-0715 静岡県下田市宇土金341
5)料金 一般1,000円/学生500円/高校生以下無料
※団体10名以上10%割引
※障がい者手帳をお持ちの方は半額になります
6)ギャラリートーク
展覧会をより深くお楽しみいただける、作品解説を行います。
開催日時 展覧会会期中の毎月第3土曜日
【近代館】10:00~ 【仏教館】11:00~ 各回約45分
参加方法 時間になりましたら展示室へお集まりください。※要入館券
―展覧会の見どころ
【近代館】もののありか ―静物画のふしぎ
■ ものとは何か―画家の「もの」へのまなざしと豊かな静物画の世界
近代館は画家たちが描く「もの」へのまなざしに着目し、静物画のふしぎに迫る展覧会を開催します。ポール・セザンヌ≪ウルビノ壺のある静物≫は、布の上に置かれた果物と西洋トマト、色鮮やかなマヨルカ焼の壺が描かれています。壺は真正面から捉えられ、背景に大きな影を映します。右奥にあるカーテンは、模様が生き生きとした筆致で描かれ、布の上のモティーフと呼応するかのようです。再び果物や壺に目を移すと、それらは空中に浮かび上がるかのように不思議な存在感を放ち始めます。
本展ではそのほか、セザンヌの影響を色濃く受けた安井曽太郎≪静物≫(1912[明治45/大正元]年)、果物の立体感と装飾模様の平面性が対照的なアンリ・マティス≪果物皿の傍に立つオダリスク≫(1924年、新収蔵・初公開)などをご紹介いたします。画家たちが描き出す「静物画のふしぎ」をお楽しみください。
ポール・セザンヌ≪ウルビノ壺のある静物≫1872-73 当館蔵
【仏教館】都の祈り 伊豆の祈り
■ 調査にもとづく伊豆ののびやかな造形の仏像
上原コレクションのみやびな仏教美術とともに、当館が長年調査を行ってきた伊豆の仏像から、のびやかで、造形力ゆたかな近世の仏像を紹介いたします。当館所蔵の≪二天像≫は、平安時代後期に造られたボリューム感あふれる姿が魅力の仏像。一方、河津町・普門院に伝わる江戸時代の≪二天像≫は、ガラスの目玉をはめこみ、怪獣のような獅噛(しがみ/ベルト飾り)を着けたややユーモラスな姿。同じ≪二天像≫でも、時代や地域で表現が異なります。本展では定朝様(じょうちょうよう)の≪薬師如来像≫(当館蔵)、素朴な彫りが魅力の≪毘沙門天像≫(下田市吉佐美)などをご紹介いたします。
―主な出品作品
[近代館]
1. ポール・セザンヌ≪ウルビノ壺のある静物≫ 1872-73年 油彩、カンヴァス
2. ピエール・オーギュスト・ルノワール≪果物の静物≫ 1902年頃 油彩、カンヴァス
3. 安井曽太郎≪静物≫ 1912(明治45/大正元)年 油彩、カンヴァス
4. アンリ・マティス≪果物皿の傍に立つオダリスク≫1924年 リトグラフ、紙
※新収蔵・初公開 ほか
[仏教館]
5. ≪二天像≫ 江戸時代 河津町・普門院蔵
6. ≪二天像≫ 平安時代後期 当館蔵 ほか