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投稿者:

ZYAO22編集部

リサンキズマブ、中等症以上の活動期潰瘍性大腸炎の成人患者への治療薬として欧州医薬品委員会が肯定的見解

2024年6月20日
アッヴィ合同会社

アッヴィ、リサンキズマブについて、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎を有する成人患者さんの治療薬として欧州医薬品委員会(CHMP)より肯定的見解を取得

 
ー 中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎を有する成人患者さんを対象としてリサンキズマブの有効性と安全性を評価した、2つの重要な第III相試験であるINSPIRE試験およびCOMMAND試験の結果1,2に基づく肯定的見解
ー 両試験で、主要評価項目である臨床的寛解(Adapted Mayoスコア*に基づき判定)と主な副次評価項目(内視鏡的改善**、組織学的・内視鏡的粘膜改善†など)を達成1,2
ー 潰瘍性大腸炎は大腸に影響を及ぼす慢性、特発性の免疫介在性の炎症性腸疾患(IBD)で、患者さんにとって大きな負担となることもあり、しばしば生活に支障をきたす3-6

イリノイ州ノースシカゴ、2024年5月31日(米国時間)—アッヴィ(NYSE:ABBV)は本日、リサンキズマブについて、既存治療または生物学的製剤で効果不十分、効果減弱または不耐容であった中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎を有する成人患者さんの治療薬として承認を推奨する肯定的見解を、欧州医薬品庁(EMA)の欧州医薬品委員会(CHMP)から得たことを発表しました。用量については、寛解導入療法として1200 mgを静脈内(IV)投与し、その後、個々の患者さんの症状に応じて維持療法として180 mgまたは360 mgを皮下(SC)投与することが推奨されています。欧州委員会の最終決定は2024年の第3四半期に予定されています。

リエージュ大学病院消化器内科教授兼科長およびリエージュ大学学部長(professor and head of gastroenterology, Liège University Hospital; dean of faculty, Liège University)であり、INSPIRE試験の治験責任医師であるEdouard Louis, M.D., Ph.D.は、次のように述べています。「第III相試験のINSPIRE試験とCOMMAND試験の結果から、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎を有する患者さんは、症状コントロールにとどまらない、組織学的・内視鏡的粘膜治癒を含む長期管理目標を追求できることが示されました。患者さんの治療目標が症状管理にとどまらず内視鏡的寛解にまで発展しつつあることから7-9、この知見には大きな意義があります。内視鏡的改善により、入院リスクの低下や生活の質の向上など、良好な長期的転帰が得られる可能性があることが複数の試験で示されています10-12」

CHMPによる肯定的見解は、2つの第III相試験(INSPIRE寛解導入療法試験1およびCOMMAND維持療法試験2)で得られたデータに基づいています。INSPIRE試験では、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎を有する患者さんを対象として、リサンキズマブによる寛解導入療法(0週、4週および8週時に1200 mgをIV投与)を評価しました。COMMAND試験では、INSPIRE試験で寛解導入療法が奏効した患者さんを、さらに52週間の維持療法としてリサンキズマブ180 mgまたは360 mgのSC投与群に無作為に割り付けました。これらの試験におけるリサンキズマブの安全性プロファイルは、さまざまな適応症を対象としたこれまでの試験全体でみられた安全性プロファイルとおおむね一致しており、新たな安全性のリスクは認められませんでした1,2。

アッヴィのvice president兼global head of immunology clinical developmentであるKori Wallace, M.D., Ph.D.は、次のように述べています。「アッヴィでは、すべての活動において患者さんを中心に考え取り組んでいます。消化器領域で進行中の研究開発への取り組みを通じて、必要としている患者さんに新たな治療選択肢を提供すべく尽力しています。患者さんが長期的な治療目標を達成できるようになる可能性があるリサンキズマブの潰瘍性大腸炎に対する使用について、EMAの最終決定を心待ちにしています」

欧州連合では、潰瘍性大腸炎に対するリサンキズマブの使用は承認されておらず、その安全性および有効性については引き続き評価中です。

リサンキズマブは、ベーリンガーインゲルハイムとアッヴィの業務提携の一環で、アッヴィが世界的に開発と販売を主導しています。

*Adapted Mayoスコアは、排便回数のサブスコア(SFS)、直腸出血のサブスコア(RBS)および内視鏡所見のサブスコア(ES)に基づきます。
**内視鏡的改善は、ESが1点以下で易出血性が認められない場合と定義しました。
†組織学的・内視鏡的粘膜改善(HEMI)は、ESが1点以下で易出血性が認められず、かつGeboesスコアが3.1点以下の場合と定義しました。

潰瘍性大腸炎について
潰瘍性大腸炎は大腸における慢性、特発性の免疫介在性のIBDであり、直腸からより近位の結腸までのさまざまな範囲で粘膜炎が持続的に生じます3,4。潰瘍性大腸炎に特徴的な徴候および症状は、直腸出血、腹痛、血性下痢、しぶり腹、便意切迫および便失禁です4,5。潰瘍性大腸炎の経過は患者さんによって異なり、寛解から慢性難治性疾患までさまざまな経過をとり、ときには外科手術や生命を脅かす合併症の発症に至ることもあります4,5。重い症状と予測不可能な疾患経過は、患者さんにとって大きな負担となることもあり、しばしば生活に支障をきたすことも報告されています6。

INSPIRE寛解導入療法試験について1
INSPIRE試験は、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎を有する患者さんを対象に、リサンキズマブの寛解導入療法(0週、4週および8週時に1200 mgをIV投与)の有効性および安全性を評価するために設計された第III相、多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験です。本試験の主要評価項目は、12週時における臨床的寛解(Adapted Mayoスコアに基づき判定、SFSが1点以下かつベースライン値を上回らず、RBSが0点、ESが1点以下で易出血性が認められない場合と定義)の達成です。主な副次評価項目は、12週時における臨床的改善(Adapted Mayoスコアがベースラインから2点以上かつ30%以上低下し、さらにRBSが1点以上低下またはRBSの絶対値が1点以下となる場合)、内視鏡的改善(ESが1点以下で易出血性が認められない場合)およびHEMI(ESが0点または1点で易出血性が認められず、かつGeboesスコアが3.1点以下の場合)などです。

本試験のトップライン結果は20233に発表しています。詳細はwww.clinicaltrials.gov(NCT03398148)に掲載されています。

COMMAND維持療法試験について2
COMMAND試験は、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎の成人患者さんを対象に、リサンキズマブ180 mgまたは360 mg SC投与の有効性および安全性を評価するために設計された第III相、多施設共同、無作為化、二重盲検、比較対照、52週間維持療法試験です。本試験では、無作為化投与中止デザインを採用し、リサンキズマブIV投与による寛解導入療法を受け、リサンキズマブIV投与が奏効した患者さんを再度、リサンキズマブ180 mg SC投与群、リサンキズマブ360 mg SC投与群またはリサンキズマブ投与中止群(寛解導入療法のみの対照群)に無作為に割り付けました。リサンキズマブ投与中止群(寛解導入療法のみの対照群)の患者さんは、試験終了時までリサンキズマブを休薬しました。この第III相試験の目的は、INSPIRE試験でリサンキズマブIV投与による寛解導入療法が奏効した中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎の患者さんを対象に、リサンキズマブ投与中止(対照群)と比較して、維持療法としてのリサンキズマブ180 mgまたは360 mgの有効性および安全性を評価することです。

本試験の主要評価項目は、52週時の臨床的寛解(Adapted Mayoスコアに基づき判定、SFSが1点以下かつベースライン値を上回らず、RBSが0点、ESが1点以下で易出血性が認められない場合と定義)です。主な副次評価項目は、52週時の内視鏡的改善(ESが1点以下で易出血性が認められない場合)、HEMI(ESが1点以下で易出血性が認められず、かつGeboesスコアが3.1点以下の場合)およびステロイド不使用での臨床的寛解(52週時にAdapted Mayoスコアに基づく臨床的寛解が認められ、かつ52週時までに90日以上にわたってコルチコステロイド不使用であった場合と定義)です。

本試験のトップライン結果は20236に発表しています。詳細はwww.clinicaltrials.gov(NCT03398135)に掲載されています。

リサンキズマブについて
リサンキズマブは、インターロイキン-23(IL-23)のp19サブユニットに結合することによりIL-23を選択的にブロックするIL-23阻害薬です13。炎症プロセスに関与するサイトカインであるIL-23は、多くの慢性免疫関連疾患に関連すると考えられています14,15。リサンキズマブは、尋常性乾癬、乾癬性関節炎およびクローン病の治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)およびEMAより承認されました13,16。

消化器領域におけるアッヴィについて
潰瘍性大腸炎やクローン病といったIBD領域を大きく発展させるため、アッヴィは強固な臨床試験プログラムを実施し、最先端の研究に取り組んでいます。革新と学習、そして適応を通して、IBDによる患者さんの負担をなくし、患者さんの生活を長期にわたって改善していくことを目指しています。消化管領域におけるアッヴィについて、詳細はこちら(こちら)をご覧ください。

アッヴィについて
アッヴィのミッションは現在の深刻な健康課題を解決する革新的な医薬品の創製と提供、そして未来に向けて医療上の困難な課題に挑むことです。一人ひとりの人生を豊かなものにするため次の主要領域に取り組んでいます。免疫疾患、がん、精神・神経疾患、アイケア、さらに美容医療関連のアラガン・エステティックスポートフォリオの製品・サービスです。アッヴィの詳細については、www.abbvie.com をご覧ください。FacebookInstagramX(旧TwitterYouTubeLinkedInでも情報を公開しています。

References:

1.Louis, E. et al. (2023) "OP021 Risankizumab Induction Therapy in Patients With Moderately to Severely Active Ulcerative Colitis: Efficacy and Safety in the Randomized Phase 3 INSPIRE Study." UEG Journal. 11(8):26.
2.Louis, E. et al. (2024) "OP06 Risankizumab Maintenance Therapy in Patients With Moderately to Severely Active Ulcerative Colitis: Efficacy and Safety in the Randomised Phase 3 COMMAND Study." J 3.Crohn's Colitis. 18(1):10-12. doi: https://doi.org/10.1093/ecco-jcc/jjad212.0006.
Gajendran, M. et al. (2019) "A Comprehensive Review and Update on Ulcerative Colitis." Dis Mon. 65(12):100851. doi:10.1016/j.disamonth.2019.02.004.
4.Crohn's & Colitis Foundation of America. "The Facts About Inflammatory Bowel Diseases." https://www.crohnscolitisfoundation.org/sites/default/files/2019-02/Updated%20IBD%20Factbook.pdf. Published November 2014. Accessed May, 2024.
5.National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases. "Ulcerative colitis." https://www.niddk.nih.gov/health-information/digestive-diseases/ulcerative-colitis/all-content. Updated September 2020. Accessed May, 2024.
6.Mehta, F. (2016) "Report: economic implications of inflammatory bowel disease and its management." Am J Manag Care. 22(3 Suppl):51-60.
7.Van Assche, G. et al. (2016) "Burden of Disease and Patient-Reported Outcomes in Patients With Moderate to Severe Ulcerative Colitis in the Last 12 Months - Multicenter European Cohort Study." Dig Liver Dis. 48(6):592-600. doi:10.1016/j.dld.2016.01.011.
8.Dave, M. Loftus, EV Jr. (2012) "Mucosal Healing in Inflammatory Bowel Disease-A True Paradigm of Success?" Gastroenterol Hepatol (N Y). 8(1):29-38.
9.Turner, D. et al. (2021) "STRIDE-II: An Update on the Selecting Therapeutic Targets in Inflammatory Bowel Disease (STRIDE) Initiative of the International Organization for the Study of IBD (IOIBD): Determining Therapeutic Goals for Treat-to-Target Strategies in IBD." Gastroenterology. 160(5):1570-1583. doi:10.1053/j.gastro.2020.12.031.
10.Colombel, J.F. et al. (2020) "Outcomes and Strategies to Support a Treat-to-Target Approach in Inflammatory Bowel Disease: A Systematic Review." J Crohns Colitis. 14(2):254-266. doi:10.1093/ecco-jcc/jjz131.
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14.Duvallet, E. et al. (2011) "Interleukin-23: A Key Cytokine in Inflammatory Diseases." Ann Med. 43(7):503-511. doi:10.3109/07853890.2011.577093.
15.Moschen, A.R. et al. (2019) "IL-12, IL-23 and IL-17 in IBD: Immunobiology and Therapeutic Targeting." Nat Rev Gastroenterol Hepatol.16(3):185-196. doi:10.1038/s41575-018-0084-8.
16.Skyrizi. Highlights of Prescribing Information. https://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/label/2022/761262s000lbl.pdf. Updated June 2022. Accessed May, 2024.