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投稿者:

ZYAO22編集部

NPO×ろうきんのタッグで誰もが安心できる社会づくり

~日本初の「NPO融資制度」を開発した近畿ろうきんの社会的事業融資~

2024年5月29日
近畿労働金庫

近畿労働金庫(理事長 江川 光一)は、2000年に国内金融機関で初となるNPO融資制度を開発して以来、地域の社会課題の解決に懸命に取り組むNPO(非営利組織)等を一貫して支援しております。

 

この度、2023年度における社会的事業融資の実績を取りまとめましたので、制度開発の経過や背景とあわせてご報告いたします。

 

1.社会的事業融資の2023年度実績

(1)2023年度の新規実行状況

法人 先数 実行額
NPO法人 5 318,500,000円
社会福祉法人等 2 150,000,000円
生協 - -
合計 7 468,500,000円

(2)2023年度末の融資利用状況

法人 先数 残高
NPO法人 30 1,009,441,257円
社会福祉法人等 24 2,403,335,028円
生協 7 388,945,100円
合計 61 3,801,721,385円

 

融資事例の紹介

当金庫は、大阪市の認定NPO法人「Homedoor(ホームドア)」(理事長 川口 加奈氏)に対し、生活困窮者が一時的に避難・生活する住居(シェルター)の購入費用として、過去最大の3億円を融資しました。

同NPO法人は、資金調達の検討を進める中で、これまでに600件以上のNPO融資実績のある当金庫へ相談に来られました。

 

<認定NPO法人「Homedoor(ホームドア)」>

設立理念は、“ホームレス状態を生み出さない日本の社会構造をつくる”。

生活困窮者を対象に短期宿泊(平均11日)施設の運営や就労支援を行う。

コロナ禍で、ネットカフェ難民の若者など、相談者が増加したことを受け、廃業したホテルを購入し、シェルターを新設することを決めた。

 

Homedoorの川口理事長(左)、当金庫地域共生推進室長の東中(右)

 

 

2.NPO融資制度「NPO事業サポートローン」が誕生した背景

労働金庫とNPO(1990年代後半)

阪神・淡路大震災を機に、復興支援のためボランティア団体などの市民団体(当時、NPOという言葉はまだ一般的ではありませんでした)が数多く起ち上がりました。

労働金庫*は、それらの市民団体を「勤労者の生活を地域から支える重要なパートナー」と位置づけて、寄付を通じた支援や職員派遣など、様々な形で連携してきました。

 

*労働金庫(ろうきん)は、戦後、物資が乏しい日本において、信用力のない労働者への金融包摂を目的に、非営利の協同組織として創設された金融機関です。

 

NPO融資制度の誕生(2000年)

そんな中、「非営利・ボランティア団体というだけで、銀行から口座開設や融資を断られた」という、多くの市民団体からの声を受け止め、近畿労働金庫は、東京労働金庫(現・中央労働金庫)とともに、国内金融機関で初となるNPO融資制度「NPO事業サポートローン」*を2000年4月に制定しました。

 

※福祉金融機関として「地域を支える同じ非営利団体(仲間)への金融包摂を必ず実現する」との強い想いを持った労働金庫内の有志を中心に、協議・研究を重ねて生まれました。無担保や有担保、毎月返済や期日一括返済、当座貸越でのご利用など、NPO法人の様々な資金需要に対応できるよう、設計されています。

※多くのNPO法人(2005年以降、社会福祉法人を含む)にご利用いただき、2007年3月には新規実行額の累計が10億円を突破しました。

 

3.本取組みの現在地とこれから

制度を制定した当初(2000年代)は、行政からの委託事業等の委託費や助成金が支給されるまでの運転資金として、つなぎ融資の問合せやご利用が多くを占めました。

 

その後、世間においてNPOなどの市民活動への認知が大きく進みました。行政からの委託事業費の概算払いや分割払いなどの柔軟な対応が行われるようになり、各金融機関でも社会貢献性を加味した低利のNPO融資制度が次々開発されるようになりました。

 

環境変化の激しい時代ではありますが、当金庫は「NPO融資の先駆者」として、これまで蓄積してきたNPO融資の経験やNPOとのネットワークを活かしながら、「中間支援NPO(NPOを支援するNPO)との共同による経営指導」や「中間支援NPOを保証機関とする提携融資の推進」などを進めてまいります。

引き続き、「労働金庫ならではの手法」で、地域の社会課題の解決に懸命に取り組むNPOの皆さまとともに、誰もが安心できる社会づくりに向けて取り組んでまいります。