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投稿者:

ZYAO22編集部

ビクタルビ(R)、併存疾患を有するHIV陽性者において 高いウイルス抑制率を示す

2024年3月22日
ギリアド・サイエンシズ株式会社

 ビクタルビ(R)、併存疾患を有するHIV陽性者において 高いウイルス抑制率を示す

B型肝炎または結核を有するHIV陽性者に対する治療薬として、
ビクタルビの有効性および安全性プロファイルを評価する新たなデータを発表―  ―HIV耐性関連変異を評価するレトロスペクティブ解析を通じて、
HIV
の管理における治療選択の重要性を強調―

 
ギリアド・サイエンシズ(本社:米カリフォルニア州フォスターシティ、ナスダック:GILD、以下「ギリアド」)は3月6日、ビクタルビ(R)(ビクテグラビル50 mg/エムトリシタビン200 mg/テノホビルアラフェナミド25 mg錠(B/F/TAF))について、HIV/B型肝炎(HBV)重複感染者およびHIV/結核(TB)重複感染者を含む、広範なHIV陽性者に対する有効性および安全性プロファイルを評価する、3つの試験から得られた新たなデータを発表しました。HIVの治療環境におけるビクタルビの重要な役割を支持するこれらのデータおよび試験結果は、第31回レトロウイルス・日和見感染症会議(CROI)で発表されました。

ギリアドのHIV臨床開発部門バイスプレジデントのジャレッド・バーテン(Jared Baeten, MD, PhD)は次のように述べています。「併存疾患または既存の薬剤耐性を有するHIV陽性者は、複雑かつ進化していく治療ニーズに頻繁に直面しています。これらの試験は、HIV治療におけるアンメットニーズに関するギャップを解消し、HIVの影響を受けるさまざまな人々やコミュニティ、およびその多様な健康上のニーズに対するビクタルビの可能性をさらに理解するために実施されました。CROIで発表されたデータは、ビクタルビの長期エビデンスを拡充し、HIVの治療研究に対して患者さん中心のアプローチで取り組むというギリアドのコミットメントをさらに強化するものです」

HIVHBV重複感染
ALLIANCE試験(NCT03547908)は、治療を開始した成人HIV/HBV重複感染者を対象に、ドルテグラビル50 mg+エムトリシタビン200 mg/テノホビルジソプロキシルフマル酸塩300mg(DTG+F/TDF)と比較して、ビクタルビの有効性および安全性を評価する、現在進行中の第III相試験です。ALLIANCE試験は、未治療の成人HIV/HBV重複感染者を対象に、TAFベースとTDFベースのレジメンとを比較する、初の無作為化臨床試験です。同試験の目的は、HIV、HBV両方を効果的に抑制する可能性のあるレジメンの評価で、以前報告された96週時の結果では、抗レトロウイルスレジメンのどちらにおいても有効性が示されました。さらに、ビクタルビ群において、数値的に高いHBVのウイルス抑制およびセロコンバージョンが認められました。また、安全性に関する結果は、ビクタルビ群とDTG+F/TDF群で同様でした。有害事象(AE)は、上気道感染症(19.8% 対 14.8%)、COVID-19(38% 対 36.1%)、発熱(12.4% 対 13.1%)、ALT上昇(8.3% 対 12.3%)および鼻咽頭炎(12.4% 対 6.6%)でした。

CROIで発表された新たな探索的解析では、DTG+F/TDFとの比較で、ビクタルビに認められたHBV治療の奏効に関連する要因について、さらに詳しく調べました。本サブグループ解析では、2年の時点で、全被験者(n=243)に対して、ベースラインの人口統計学的特性、HBVの遺伝子型、およびHIV-1/HBVの疾患重症度マーカーに基づき、HBV治療の奏効を比較しました。

本解析では、全体集団と同様に、HIV/HBV重複感染者を対象に、多くのHBVに対するTAFベースとTDFベースの治療反応を比較し、特定のサブグループにおいてTAFベース治療による治療アウトカム改善が示唆され、これはこの集団におけるビクタルビの継続的評価を支持するものです。ビクタルビに対し優位な治療差異を示したサブグループには、若年層、特定のレベル/タイプのHBV DNA/遺伝子型を有するグループ、肝酵素値が正常値よりも高いグループなどが含まれました。HIV/HBV重複感染者に対するビクタルビの使用は研究段階にあり、本使用の安全性および有効性は確立されていません。

HIVTB重複感染
TBは、HIV陽性者の主な死因です。2022年には約167,000人がHIV関連のTBで亡くなっており、WHOのアフリカ地域事務局管轄地域での罹患率が最も高くなっています。HIV関連のTBの早期発見・治療は大きく進歩を遂げているものの、依然として治療には大きな課題が残されています。抗レトロウイルス薬とTB治療薬の相互作用が、重複感染者の管理を複雑にしています。これらの相互作用は主に薬剤の代謝に関連しています。TBの第一選択薬であるリファンピシンが関与する薬物間相互作用は、多くの抗レトロウイルス薬に対して、特に臨床的に重要です。

インテグラーゼ阻害剤(INSTI)は、HIV治療の主要標準ガイドラインにより推奨されています。INSTIとTB治療に使用する薬剤を併用する際には、複数の臨床・研究間のギャップが存在していますが、HIVとTB両方の治療を行うためには、このギャップを解消する必要があります。INSIGHT試験(NCT04734652)は、Centre for the AIDS Programme of Research in South Africa(CAPRISA)など、さまざまな組織と提携しながら、HIV/TB重複感染の治療を開始し、少なくとも8週間以上、リファンピシンベースの治療レジメンの投与を受けている成人を対象に、ビクタルビおよびDTG50 mg+ラミブジン300 mg/テノホビルジソプロキシルフマル酸塩300 mg(TLD)の有効性、安全性ならびに薬物動態を検証する、現在進行中の第2b相、非盲検試験です。

被験者は、ビクタルビ群またはTLD群に2:1の比率で無作為に割り付けられました。ビクタルビは、リファンピシンが含まれるTB治療薬投与中、およびTB治療中止後2週間は1日2回投与、その後は1日1回投与されました。TLD群は、TB治療期間中、およびTB治療完了後2週間は、TLDの1日1回投与に加え、DTG 50 mgを夕方に投与されました。その後は、標準治療に従い、TLDの1日1回投与を48週目まで行いました。主要評価項目は、24週時のウイルス抑制(HIV-1 RNA ˂50 copies/mLと定義)でした。

CROIで発表された24週時の中間結果では、ビクタルビを投与された被験者の97%(71/73)、ならびにDTGベースのレジメンを投与された被験者の97%(36/37)において、ウイルス抑制を達成(HIV-1 RNA < 50 copies /mL)したことが認められました。重篤な有害事象(AEs)は、HIVおよびTBが進行している本集団において発現しています。しかし、治験薬との関連が認められたAEは報告されていません。報告されたグレード3および4のAEの発現数は、両群でほぼ同じでした。

CAPRISAの研究員で、INSIGHT試験の主任研究員であるアヌシュカ・ナイドウ医師(Anushka Naidoo, BPharm, MMedSc, PhD)は次のように述べています。「南アフリカは世界で最もHIVが流行しており、700万人以上がHIVに感染し、その半分以上がTBとの重複感染者です。薬剤クラス内を含め、抗レトロウイルス治療選択肢が利用可能であることは特にHIV/TBの負荷の大きい状況において、重要です。CROIで発表された本試験から得られた重要な知見は、重複感染という過度の負担がかかる人々やコミュニティの臨床ギャップを埋める可能性のある治療薬として、HIV/TB重複感染者におけるビクタルビの継続評価を支持するものです」

INSIGHT試験は、長期の安全性および有効性を判断するために、48週まで継続されます。ビクタルビのリファンピン(リファンピシンとしても知られる)との併用投与は、米国FDAより禁忌とされています。HIV/TB重複感染者に対するビクタルビの使用は研究段階にあり、本使用の安全性および有効性は確立されていません。

切り替え試験における耐性関連変異
HIVの遺伝子変化は偶然に起こります。変化の中には、HIV薬の働きを止めてしまうものもあり、これらの変化は耐性変異と呼ばれています。体内に耐性変異が留まる時間を理解するために、3件の臨床試験の被験者について、研究者はHIVの遺伝子型を経時的に調べました。

遺伝子型のデータは、臨床試験の初めに収集するとともに、一部の被験者については、それ以前の遺伝子型に関するレポートについても、入手可能でした。研究者は、過去の抗レトロウイルスレジメンで少なくとも3カ月間のウイルス抑制を達成後、ビクタルビ投与に切り替えた3件の試験の被験者(n=242)のコホートにおいて、耐性変異が持続するのか、新たに発生するのか、あるいは消滅するのかを明らかにするため、これらのレポートを調べました。

解析における耐性関連変異の大部分は、常に確認される、あるいは新たに確認されて時間の経過とともに消滅しない、のいずれかでした。細胞内でアーカイブされた薬剤耐性変異は、ウイルスが抑制されても持続する可能性があり、ウイルス学的失敗、治療中断、あるいは不十分なアドヒアランスの場合、薬剤耐性ウイルス感染のリスクをもたらします。医療従事者は、後に再出現する可能性があるため、以前に受けた薬物治療および遺伝子型レポート全てを考慮する必要があるとともに、最新の遺伝子型レポートで存在しないというだけで、耐性変異が存在しないと考えるべきではありません。これらの結果は、治療の管理のため、一人一人の治療歴および過去の耐性変異を理解することの重要性を強調するものです。

2024年2月、米国FDAは、一般的な薬剤耐性であるM184V/I耐性を有する、ウイルス学的に抑制されたHIV陽性者に対する治療薬として、ビクタルビの適応拡大を承認しました。

CROIで発表されたビクタルビを評価するその他の調査研究では、高齢者集団における安全性および有効性データ、ならびにウイルス学的に抑制されたHIV陽性者における免疫活性化バイオマーカーへの治療の影響や体重変化などが検証されています。

ビクタルビの米国での適応および枠組み警告を含む重要な安全性情報については、以下をご参照ください。

HIVまたはAIDSを治癒する方法は現在のところ存在しません。

ビクタルビについて
ビクタルビは、3種類の強力な薬剤の組み合わせで、インテグラーゼ阻害剤(INSTI)をベースとした1日1回1錠レジメン(STR)においては3成分を含有する最小のHIV製剤です。また、食事の有無にかかわらず服薬でき、薬物相互作用の可能性が低く、耐性へのバリアが高い薬剤です。ビクタルビは、ブースターを必要としない新しいINSTIのビクテグラビルとデシコ
ビ®(エムトリシタビン200 mg/テノホビルアラフェナミド25 mg錠、F/TAF)をバックボーンとする配合剤です。ビクタルビは完全なSTRで、他のHIV治療薬と併用しないでください。

米国でのビクタルビの適応症
ビクタルビの適応症は、抗レトロウイルス(ARV)未治療の成人および体重14 kg以上の小児患者さんに対するHIV-1感染治療、あるいは安定したARV療法によりウイルス学的に抑制され(HIV-1 RNAは1 mLあたり50 copies未満)、ビクテグラビルまたはテノホビルへの耐性に関する既知の変異あるいは変異の疑いを示さない人々に対する現在のARV療法に代わる治療となります。

米国におけるビクタルビに関する重要な安全性情報
枠組み警告:投与後のB型肝炎の急性増悪
・B型肝炎の重度の急性増悪は、HIV-1HBVに同時感染し、エムトリシタビン(FTC)および/またはフマル酸テノホビルジソプロキシル(TDF)を含む製品を中止した患者で報告されており、ビクタルビの投与中止に伴い生じる可能性があります。HIV-1HBVに同時感染し、ビクタルビの投与を中止した患者では、少なくとも数カ月間、臨床と検査の両面で経過観察し、肝機能を注意深くモニタリングしてください。該当する場合、B型肝炎治療が必要になる可能性があります。

禁忌
・併用投与:ビクタルビをドフェチリドまたはリファンピンと併用しないでください。

警告および注意
・薬物相互作用:「禁忌」および「薬物相互作用」の項をご参照ください。ビクタルビの投与前と投与中に薬物相互作用が生じる可能性を考慮し、副作用をモニタリングします。
・発現までの期間が変わりやすい自己免疫疾患の発現を含む免疫再構築症候群が報告されています。
・腎機能障害の新規発現または悪化:急性腎不全、近位腎尿細管症(PRT)、ファンコニ症候群などの腎機能障害に関する市販後症例が、テノホビルアラフェナミド(TAF)含有製品で報告されています。推定クレアチニンクリアランス(CrCl)30 mL/分未満の場合、ビクタルビの投与を開始しないでください。ただし、慢性血液透析を受けてウイルス学的に抑制された15 mL/分未満の成人を除きます。腎機能障害のある患者および/または腎毒性物質(NSAIDなど)を服用している患者においては、腎関連の副作用リスクが高まります。臨床的に重大な腎機能低下またはファンコニ症候群のエビデンスが認められた場合、ビクタルビの投与を中止します。
腎モニタリング:ビクタルビの投与開始前/投与開始時/投与中には、臨床的に適切となるよう、全ての患者で血清クレアチニン、CrCl、尿糖、および尿蛋白を評価します。慢性腎臓病の患者では、血清リンを評価します。
・乳酸アシドーシスおよび脂肪症を伴う重度の肝腫大:FTCとTDFなどのヌクレオシド類似体使用による死亡症例が報告されています。乳酸アシドーシスまたは顕著な肝毒性を示唆する臨床所見や検査所見が発生した場合には、ビクタルビの投与を中止します。この所見には、顕著なトランスアミナーゼ上昇がない中での肝腫大および脂肪症があります。

副作用
・144週までの臨床試験で最もよくみられた副作用(全てのグレードで5%以上)は、下痢(6%)、悪心(6%)および頭痛(5%)でした。

薬物相互作用
・処方情報:禁忌、警告、および臨床コメントを含む潜在的に重要な薬物相互作用の詳細については、ビクタルビの全処方情報をご参照ください。
・酵素/トランスポーター:P-gpを誘導する、またはCYP3AとUGT1A1の両方を誘導する薬剤は、ビクタルビの成分濃度を大幅に低下させる可能性があります。P-gpとBCRPを阻害する薬剤、またはCYP3AとUGT1A1の両方を阻害する薬剤は、ビクタルビの成分濃度を大幅に上昇させる可能性があります。ビクタルビは、OCT2またはMATE1を基質とする薬剤の濃度を上昇させる可能性があります。
・腎機能に影響を与える薬剤:腎機能を低下させる薬剤または能動的尿細管分泌で競合する薬剤とビクタルビとの併用は、FTCとテノホビルの濃度および副作用リスクを高める可能性があります。

用法および用量
・投与量:成人および体重25 kg以上の小児の場合:50 mgのビクテグラビル(BIC)、200 mgのエムトリシタビン(FTC)および25 mgのテノホビルアラフェナミド(TAF)を含む1錠を食事の有無にかかわらず1日1回服用します。体重14 kg以上25 kg未満の小児の場合:30 mgのBIC、120 mgのFTCおよび15 mgのTAFを含む1錠を食事の有無にかかわらず1日1回服用します。錠剤を丸ごと飲み込めない小児については、錠剤の全ての部分が約10分以内に摂取される限り、錠剤を分割して各部分を別々に服用することができます。
・腎機能障害:体重25 kg以上の場合、CrClが15 mL/分以上30 mL/分未満の患者、15 mL/分未満で慢性血液透析を受けていない患者、または15 mL/分未満で慢性血液透析を受けており抗レトロウイルス治療歴のない患者には投与を推奨しません。体重14 kg以上25 kg未満の場合、CrClが30 mL/分未満の患者には投与を推奨しません。
・肝機能障害:重度の肝機能障害のある患者には投与を推奨しません。
・投与開始前/投与開始時:HBV感染の検査を行います。
・投与開始前/投与開始時/投与中:臨床的に適切となるよう、全ての患者で血清クレアチニン、CrCl、尿糖、尿蛋白を評価します。慢性腎臓病の患者では、血清リンを評価します。

妊婦および授乳婦への投与
・妊婦:妊娠中におけるビクタルビの使用に関するヒトを対象としたデータが不足しています。別のインテグラーゼ阻害剤であるドルテグラビルは、神経管欠損に関連しています。妊娠中および受胎中にビクタルビを使用することのベネフィットとリスクについて話し合いをしてください。抗レトロウイルス妊婦レジストリ(Antiretroviral Pregnancy Registry、APR)は確立されています。APRから入手できたFTCに関するデータが、先天性欠損症の割合について米国の準拠集団と差がないことを示しています。
・授乳婦:HIV-1に感染した女性はHIV-1を伝播する可能性があるため、授乳をしないように指示してください。

ギリアド・サイエンシズのHIV領域における活動について
ギリアド・サイエンシズは、全ての人々にとって、より健康な世界の実現を目指し、30年以上にわたり医療の革新を追求し、飛躍的な進歩を遂げてきたバイオ医薬品企業です。当社はHIV、ウイルス性肝炎、COVID-19およびがんなどの生命を脅かす疾患の予防と治療のため、革新的な医薬品の開発に取り組んでいます。当社は、カリフォルニア州フォスターシティに本社を置き、世界35カ国以上で事業を行っています。

ギリアドは35年以上にわたり、HIV分野におけるリーダーであり、革新者として治療、予防および治癒に関する研究の進歩を推進してきました。HIV感染症治療を目的とした初めての1日1回1錠レジメンや、HIVの新規感染を減少させるための曝露前予防(PrEP)を目的とした初めての抗レトロウイルス薬、初めての年2回投与の長期作用型HIV治療注射剤など、ギリアドの研究者らはこれまでHIV治療薬を12種類開発してきました。こうした医学研究の進歩により、何百万人もの人々にとってHIVは治療および予防が可能な慢性疾患となりました。

ギリアドは、世界中のHIV感染者の進化するニーズに対する解決策を提供するため、継続的な科学的イノベーションに取り組んでいます。パートナーシップと協力を通じて、当社は教育を発展させ、アクセスを拡大し、ケアに対する障壁に対処することも目指しながら、世界におけるHIVの流行を終結させることを目標としています。またギリアドは、Funders Concerned About AIDSが発表した報告書において、HIV関連プログラムの慈善資金提供者として第1位に認定されました。

ギリアドが世界各地で実施している独自のプロジェクト、および世界でのHIV流行終結に向けた取り組みについては、こちらをご参照ください。