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投稿者:

ZYAO22編集部

ギリアド、革新的なHIV治療研究パイプラインにより、 アンメットニーズ解消および公衆衛生の向上を目指す

2024年3月19日
ギリアド・サイエンシズ株式会社

ギリアド、革新的なHIV治療研究パイプラインにより、 アンメットニーズ解消および公衆衛生の向上を目指す

新たに示された有望な臨床データで、開発中の11回、週1回、
および年2回投与の戦略に弾み将来の長時間作用型の併用療法の可能性を評価する試験から得られた主要な結果を通じて、継続的な生物医学的イノベーションへのコミットメントを確認

 
ギリアド・サイエンシズ(本社:米カリフォルニア州フォスターシティ、ナスダック:GILD、以下「ギリアド」)は3月5日、広範にわたる革新的なHIV治療研究のパイプラインに関する主要データを発表しました。この最新結果は、開発中のビクテグラビルとレナカパビルの併用療法を評価する試験から得られた臨床アウトカム、開発中のレナカパビルと広域中和抗体(bNAb)の併用療法を評価する試験から得られた新たな結果、および週1回投与の新しいインテグラーゼ阻害剤(INSTI)であるGS-1720に関する新たな概念実証データをさらに研究したものです。第31回レトロウイルス・日和見感染症会議(CROI)で発表されたこれらのデータは、HIV陽性者のアンメットニーズを解消し、世界での流行終結のため、HIV領域における生物医学的イノベーションの次の波を推進するギリアドのコミットメントを示すものです。

ギリアドのHIV臨床開発部門バイスプレジデントのジャレッド・バーテン(Jared Baeten, MD, PhD)は次のように述べています。「当社のHIVパイプラインに関する最新結果は、HIVの管理を変革する一助となる複数の新薬候補の可能性を示しています。投与頻度や方法が異なるさまざまな薬剤について研究することは、ギリアドのR&Dプログラムの基本的な側面です。私たちは、より多くの治療選択肢を提供することでアドヒアランス向上に寄与し、より多くの人々の持続的なウイルス抑制達成、集団レベルでの伝染性ウイルス保有のさらなる減少に貢献していきます」

11回経口投与のビクテグラビルとレナカパビルの併用療法
ARTISTRY-1試験(NCT05502341)は、複雑なレジメンによりウイルス学的抑制が得られているHIV陽性者を対象に、開発中のINSTIのビクテグラビルとファースト・イン・クラスのカプシド阻害剤のレナカパビルの1日1回投与の併用療法と、既存の治療を比較する、現在進行中の非盲検、多施設共同、第II/III相試験です。最大10%のHIV陽性者が、複雑な治療レジメン(1日に2錠以上と定義)を受けていると推定されています。HIVに対する単剤療法は10年以上も前から使用可能であり、かつ複数の試験において1日1錠の治療選択肢の方がアドヒアランスが高いという結果が示されている一方、単剤の治療法を選択することができない人もいます。

新たな第II相のデータにおいて、スクリーニング前に6カ月以上安定したベースラインレジメンの投与を受けた128名の被験者が、1日1回経口投与のビクテグラビル 75 mg+レナカパビル 25 mg(n=51)、ビクテグラビル 75 mg+レナカパビル 50 mg(n=52)、または現在の安定したベースラインレジメンを継続(n=25)の3つの投与群に2:2:1の比率で無作為に割り付けられました。主要評価項目は、24週時にウイルス抑制がみられなかった(HIVウイルス量が≥50 copies/mL、FDA Snapshotに基づく)被験者の割合でした。主な副次評価項目は、ウイルス学的に抑制されていた(HIVウイルス量が<50 copies/mL、FDA Snapshotに基づく)被験者の割合と、治療中に有害事象(TEAE)を発現した被験者の割合でした。

3つの投与群全てにおいて、6カ月時点で安定したウイルス学的抑制が認められ、試験全体を通してウイルス量は一貫して低値を示しました。レナカパビル低用量投与群および安定したベースラインレジメン継続群では、24週目までにウイルス量のリバウンド(≥50 copies/mL)を示した被験者はいませんでした。レナカパビル高用量投与群では、閾値を超えたウイルス量増加がみられた被験者が1名いましたが、レジメンを変更することなく、後にウイルス学的抑制が認められました。

さらに、ビクテグラビル+レナカパビル投与の2群は、良好な安全性プロファイルを示し、TEAEの発現も同様の割合でした。両群において24週時までに最もよくみられたTEAEは、下痢(7%)、新型コロナウイルス感染症(6%)および便秘(5%)でした。投与中止につながる薬剤関連TEAEは、レナカパビル高用量投与群では2%、レナカパビル低用量投与群では2%で認められ、安定したベースラインレジメン群では認められませんでした。

以上の結果は、複雑なレジメンの治療を受けているHIV陽性者が、より簡便なビクテグラビルとレナカパビルの併用療法にスイッチした場合の有効性および安全性プロファイルを支持しています。この開発中の併用療法は、ARTISTRY-1試験の第III相において、単剤療法としてさらに評価が行われています。

レナカパビルとbNAbの年2回投与
直近の第Ib相試験において、開発中のレナカパビル+teropavimab(GS-5423、TAB)+zinlirvimab(GS-2872、ZAB)の併用療法は、年2回投与で6カ月間にわたり高い有効性を示し、ウイルス学的抑制を維持したことがThe Lancet HIVに公開されました。この長期間作用型の併用療法の可能性についてさらにる検討するため、第Ib相試験にコホートを追加し、抗レトロウイルス(ARV)併用療法により18カ月以上ウイルス学的抑制が得られており、かついずれかのbNAbにのみ高い感受性を示す成人HIV陽性者にまで対象集団を拡大し、いずれかのbNAbに対する高い感受性が、この開発中の併用レジメンの安全性プロファイルや有効性に影響があるかどうかを評価しました。

TABおよびZABの投与量は体重に基づいて決定されました。全被験者がレナカパビル(経口負荷後に927 mgを皮下注射)+TAB(30 mg/kgを静脈内注射[IV])に加え、2つの異なる用量のZAB投与群(グループ 1:10 mg/kg IV、グループ 2:30 mg/kg IV)に1:1の比率で無作為に割り付けられました。11名の被験者が無作為に割り付けられ、投与が行われました(グループ 1:n=5、グループ 2:n=6)。年齢は28-63歳で、11名の被験者のうち、3名が女性、4名が黒人でした。また、CD4細胞数の中央値は916 個/µLでした。

6カ月時点で、開発中のレナカパビル+TAB+ZABの長時間作用型併用レジメンの忍容性および安全性プロファイルは良好で、10名の被験者のうち8名がウイルス学的抑制を維持しました(HIVウイルス量が<50 copies/mL )。さらに、ZABの高用量投与群の6名の被験者は全例が6カ月時点でのウイルス学的抑制を維持しており、開発中の年2回投与の長時間作用型治療レジメンの可能性を示ました。

ウイルス学的リバウンドを経験した2名の被験者のうち、1名はリバウンド時に急性の新型コロナウイルス感染症と診断され、もう1名は26週時にリバウンドしました。両者とも26週時において、HIV RNA<100 copies/mLでした。さらに、1名の被験者はプロトコル違反をし、ベースラインのARV療法を再開したことから、有効性解析から除外されました。安全性アウトカムは、両群とも同様で、治験薬の投与中止に至った有害事象(AE)はありませんでした。重篤なAEは、治験薬とは関連のない軟部組織感染症が1例報告されました。

開発中のレナカパビル+TAB+ZABの併用療法は、第II相試験(NCT05729568)に進んでいます。ウイルス学的に抑制されたHIV陽性者を対象に評価を行っていますが、今後、ウイルス学的抑制が得られた被験者を対象に、同レジメンの反復投与について長期にわたりフォローアップし、本レジメンの安全性および有効性の評価を行う予定です。

PRESTIGIOレジストリによる追加の観察試験では、4つの薬剤クラスに耐性を示し、治療選択肢が限られていた可能性のある多剤耐性(MDR)HIV陽性者を対象に、bNAbであるTABおよびZABに対する感受性について、研究を行いました。被験者の約40%において、ウイルスはTABおよびZABに感受性が示されました。これは、TABやZABを含む開発中の長時間作用型療法を検討するうえで、特定のMDRのHIV陽性者が今後の試験での対象者となりうることを示唆するものです。

長時間作用型の週1回投与
CROIでのLate-breakingセッションの口頭演題で発表された新たな臨床データでは、INSTIが週1回の投与間隔に適した薬物動態プロファイルを有するという初の概念実証が示されています。GS-1720は、HIV陽性者に新たな長時間作用型の選択肢を提供することを目標として、長時間作用型の薬剤との併用による新たな週1回投与のARV剤として、開発・評価中の選択的INSTIです。

現在進行中の第Ib相試験は、未治療、またはウイルス血症を有しARV療法を12週間以上受けていないHIV陽性者を対象に実施しています。28名のHIV陽性者は、GS-1720の投与量に応じて無作為に割り付けられ(投与量は30、150、450または900 mg)、1日目および2日目に投与されに、その後10日間にわたりフォローアップを行いました。主要評価項目は、投与後11日目までの血漿中HIV-1 RNAの最大減少量で、4つの治療コホートの結果が発表されました。

GS-1720は、投与量が150 mgを超えた被験者において、ベースラインと比較して抗ウイルス活性の可能性を示しました。また、忍容性はおおむね良好でした。重篤なAE、グレード3以上のTEAE、または治験薬に関連するAEを発現した被験者はいませんでした。11日時点で、450 mgおよび150 mgのコホートについては、治療中に発現したINSTI耐性は認められませんでした。これらの結果は、新たに週1回経口投与のHIV治療選択肢の一つとして、GS-1720を継続的に臨床評価していくことを支持するものです。

ギリアドのゴールは、革新的なHIV薬の創薬・開発です。私たちは、HIVにおけるイノベーションの次の波には、HIV流行による影響を受けたさまざまな人々やコミュニティの多様なニーズや選好に応えるための長時間作用型の選択肢が含まれると考えています。複数の選択肢があることは、現在のレジメンに対するアドヒアランスを維持できない人々にとって、また治療の段階に関わらず、HIV陽性者がそれぞれのアウトカムを改善し、公衆衛生を向上させるためには極めて重要です。

teropavimab(GS-5423、TAB)、zinlirvimab(GS-2872)およびGS-1720は、 開発中の化合物であり、いかなる使用についても、米国食品医薬品局(FDA)やその他の規制当局からも承認されていません。これらの化合物単独での使用、またはレナカパビルとの併用については研究段階です。また、安全性や有効性については、明らかになっていません。

ビクテグラビルとレナカパビルの併用については研究段階にあり、世界的にまだ承認されていません。その安全性および有効性については、まだ確立されていません。

レナカパビル(製品名:シュンレンカ)は、他の抗レトロウイルス薬との併用による多剤耐性HIV陽性者の治療薬として、オーストラリア、カナダ、EU、イスラエル、日本、スイス、アラブ首長国連邦、英国、米国で承認されています。シュンレンカの米国における適応や重要な安全性情報については、以下をご参照ください。

HIVまたはエイズを治癒する方法は、現在のところ存在しません。

シュンレンカについて
シュンレンカ(300 mg錠剤および463.5 mg/1.5 mL注射剤、一般名:レナカパビル)は、他の抗レトロウイルス薬との併用により、複数の治療歴があり、多剤耐性を有する成人HIV陽性者に対するHIV治療を適応とする、ファースト・イン・クラスの長時間作用型HIVカプシド阻害剤です。シュンレンカは唯一の、年2回投与によるHIV治療選択肢となります。シュンレンカ錠は、シュンレンカ治療開始時における初回の長時間作用型レナカパビル注射前または注射時の経口負荷投与法として承認されています。

シュンレンカの活性薬剤にみられる複数の過程における作用機序は、現在承認されている他の抗ウイルス薬剤クラスと異なります。ほとんどの抗ウイルス薬はウイルス複製の1段階のみに作用するのに対し、シュンレンカは、HIVのライフサイクルにおける複数の段階を阻害するよう開発されており、in vitroでは、現在ある薬剤クラスとの交差耐性は認められていません。

レナカパビルは将来のHIV治療の基盤として開発中です。長時間作用型経口薬および注射薬両方の選択肢を、さまざまな投与頻度で、他の抗レトロウイルス薬との併用療法、または予防のための単剤療法として、提供することを目標としています。このアプローチは、HIV陽性者および曝露前予防(PrEP)により恩恵を受ける可能性のある人々のさまざまなニーズや選好に応える一助となることを目指しています。HIV予防を目的としたレナカパビルの使用は研究段階にあり、本使用に対する安全性や有効性は確立されていません。レナカパビルは、ギリアドのHIV予防・治療研究プログラムにおける複数の進行中および計画中の、早期ならびに後期臨床試験において、長時間作用型の選択肢として評価されています。

米国におけるシュンレンカの適応について
ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)カプシド阻害薬であるシュンレンカは、他の抗レトロウイルス薬との併用で、耐性、忍容性あるいは安全性に配慮すると、現行の抗レトロウイルスレジメンがうまくいかない、複数の治療歴があり、多剤耐性を有する成人HIV-1陽性者におけるHIV-1感染症治療が適応とされています。

米国におけるシュンレンカに関する重要な安全性情報

禁忌
併用投与:シュンレンカを強力なCYP3A誘導剤と併用しないでください。

警告および使用上の注意
・抗レトロウイルス(ARV)併用療法を受けた患者において、発現までの期間が変わりやすい自己免疫疾患の発現を含む免疫再構築症候群が報告されています。
シュンレンカの長時間作用型特性および潜在的な関連リスク:患者の体循環において、シュンレンカの在留濃度が最長12カ月以上持続する可能性があります。注射剤最終投与後9カ月以内に投与を開始した場合、主にCYP3Aにより代謝される薬剤の曝露量が増加し、副作用のリスクが高まる可能性があります。服薬不遵守はウイルス学的反応の消失および耐性発現につながる可能性があるため、投与スケジュールについて、患者に助言してください。ウイルス学的失敗が生じた場合は、可能であれば、代替レジメンに切り替えてください。シュンレンカの投与を中止する場合は、注射剤最終投与から28週間以内に代替のARV抑制レジメンを開始してください。
注射部位反応が生じたり、結節および硬結が持続したりすることがあります。

副作用
主な副作用(全グレードで発現率3%以上)は、注射部位反応(65%)および悪心(4%)でした。

薬物相互作用
処方情報:禁忌、警告および臨床的見解を含む重大な薬物相互作用の可能性に関する詳細情報については、シュンレンカの完全な処方情報を参照してください。
酵素/トランスポーター:強力または中程度のCYP3A誘導剤は、シュンレンカの成分濃度を大幅に低下させる可能性があります。また、CYP3A、P-gpおよびUGT1A1を強力に阻害する薬剤は、シュンレンカの成分濃度を著しく上昇させる可能性があります。シュンレンカ注射剤の最終投与後9カ月以内に主にCYP3Aにより代謝される薬剤の投与を開始した場合、その薬剤の曝露量が増加し、副作用のリスクが高まる可能性があります。

用法および用量
用法・用量:2つのオプションのいずれかで投与を開始し、その後は6カ月に1回、維持投与を行ってください。錠剤は食事の有無にかかわらず服用可能です。
開始時オプション1: 1日目:927 mgを皮下注射および600 mg(300 mg錠×2)を経口投与。2日目:600 mg(300 mg錠×2)を経口投与
開始時オプション2:1日目:600 mg(300 mg錠×2)を経口投与。2日目:600 mg(300 mg錠×2)を経口投与。8日目:300 mg(300 mg錠×1)を経口投与。15日目:927 mgを皮下注射
維持療法期:927 mgを注射剤最終投与日から26週±2週ごとに皮下注射
投与忘れ:維持療法期中に、注射剤最終投与日から28週を越えてしまったが、レナカパビルによる治療継続が臨床的に適切であると判断した場合は、オプション1またはオプション2の1日目から開始時の用法・用量で投与を再開してください。

妊婦および授乳婦への投与
妊婦:妊娠中におけるシュンレンカの使用に関するヒトを対象としたデータが不足しています。抗レトロウイルス妊婦レジストリ(Antiretroviral Pregnancy Registry、APR)は確立されています。
授乳婦:HIV-1 に感染した女性は HIV-1 を伝播する可能性があるため、授乳をしないように指示してください。

ギリアド・サイエンシズについて
ギリアド・サイエンシズは、全ての人々にとって、より健康な世界の実現を目指し、30年以上にわたり医療の革新を追求し、飛躍的な進歩を遂げてきたバイオ医薬品企業です。当社はHIV、ウイルス性肝炎、COVID-19、がんなどの生命を脅かす疾患の予防と治療のため、革新的な医薬品の開発に取り組んでいます。カリフォルニア州フォスターシティに本社を置き、世界35カ国以上で事業を行っています。

ギリアドは35年にわたり、HIV領域におけるリーディング・カンパニーとして、治療、予防、治癒研究の進歩を推進してきました。ギリアドの研究者たちは、HIV治療における最初の単一錠剤レジメンや、HIVの新規感染を減少させるための初めての曝露前予防(PrEP)となる抗レトロウイルス薬、さらには初の年2回投与の長時間作用型注射剤となるHIV治療薬など、12種類のHIV治療薬を開発してきました。こうした医学研究の進歩により、HIVは何百万人もの人々にとって治療および予防可能な慢性疾患となりました。

世界中のHIV感染者の日々変化するニーズに対応するソリューションを提供するため、ギリアドは引き続き科学的イノベーションに取り組んでいます。また、パートナーシップ、連携および慈善事業への寄付を通じて、教育の改善、医療へのアクセス拡大および障壁を取り除き、世界中の全ての人々のHIV感染の根絶を目指します。ギリアドは、「AIDSに関わる資金提供基金」(Funders Concerned About AIDS, FCAA)が発表した報告書において、HIV関連プログラムの慈善資金提供団体として第1位に認定されました。

ギリアドが世界各地で実施している独自のプロジェクト、および世界でHIV流行を終結させるための取り組みについては、こちらをご参照ください。