MSCI – Women on Boards進捗レポート2023
報道関係者各位
MSCIは本日、2009年から毎年発行している企業の取締役会の性別多様性の状況を追跡調査した年次報告書の最新版「Women on Boards進捗レポート2023」を発表しました。
2023年にみられた日本の主要指標の概要:
o 女性取締役の比率は18.0%で、前年の15.5%から増加しました。
o 男性のみの取締役会は2.1%で、前年の6.7%から減少しました。
o 女性がCEOを務める企業は1.3%で、前年の0.4%から増加しました。
o 女性がCFOを務める企業は前年と同水準の1.3%でした。
MSCI・ESG&Climateリサーチのエグゼクティブ・ディレクター 柴野幸恵は次のように述べています。「日本企業の取締役会における女性比率の向上は心強い傾向であり、男性のみの取締役会の割合も着実に減少しています。今後、投資家はこの流れが継続するかどうかを注視することになります。なぜなら、日本の取締役会における女性比率は、改善傾向にあるとはいえ、現時点では世界の水準よりも依然として低いからです。また、経営幹部層においても、日本はいまだアジア太平洋地域の一部の国に比べて女性の割合が少ないことが分かりました。将来的に確実な人材パイプラインを構築するためには、ビジネスのあらゆるレベルでの性別多様性を加速していくことが重要です。」
主な調査結果は以下の通りです。
取締役会レベルにおける女性比率は、上昇率の鈍化と地理的な偏りがあるものの、世界的に改善がみられました。
o 世界全体では、MSCI ACWI指数構成銘柄の大・中型株における女性取締役の比率は25.8%でした。前年から1ポイント強上回りました。
o 構成銘柄において女性取締役の比率が30%に達した企業は、前年の38%から41%に増加しました。
o 先進国市場の女性取締役比率(32.9%)は、引き続き新興国市場(17.1%)よりも大幅に高い水準を維持しています。
o アジア太平洋地域の女性取締役比率は、前年の16.6%から18.2%に改善しました。
o アジア太平洋市場で特に著しい改善をみせたのはオーストラリア(40.8%)、シンガポール(25.3%)、香港(19.0%)で、それぞれ3ポイント以上増加しました。
o 女性不在の取締役の割合が最も減少したのは韓国、台湾と香港でした。
取締役会における女性比率<2023 vs 2022>
(MSCI AC アジア太平洋指数)
This chart shows the overall percentage of director seats held by women in 2022 (1,435 companies) and 2023 (1,477 companies) among the constituents of the MSCI AC Asia Pacific Index (5 Developed Markets and 8 Emerging Markets). The index constituents are as of October of each corresponding year. Boards of directors (one-tier board structure) and supervisory boards (two-tier board structure) are considered in this assessment. Source: MSCI ESG Research, October 2023
女性不在の取締役会の割合<2023 vs 2022>
(MSCI AC アジア太平洋指数)
This chart shows the percentage of constituents of MSCI AC Asia Pacific Index (5 Developed Markets and 8 Emerging Markets) for 2022 (1,435 companies) and 2023 (1,477 companies). Malaysia and New Zealand not depicted due to having no all-male boards in either year. The index constituents are as of October of each corresponding year. Boards of directors (one-tier board structure) and supervisory boards (two-tier board structure) are considered in this assessment. Source: MSCI ESG Research, October 2023
取締役会レベルの女性比率は全体的に改善したものの、議長職などの指導的地位はいまだ男性が多数派を占めている状況が続いています。
o 世界的に、指導的地位は依然として男性が大半を占めています。議長の女性比率は9.1%(前年は6.3%)、CEOは6.5%(前年は5.8%)と、いずれも低水準にとどまりました。
o アジア太平洋地域では、CEOレベルの女性比率が0.9ポイント改善し、世界的な改善率を上回りました。
o アジア太平洋市場でCEOレベルの女性比率が最も改善したのは ニュージーランドとオーストラリアでした。
o 中国と香港におけるCEOレベルの女性比率はそれぞれ6.7%と4.4%に微増しました。
CEO・CFOに占める女性の割合<2023 vs 2022>
(MSCI AC アジア太平洋指数)
The table shows the percentage of CEO and CFO positions held by women in 2022 (1,435 companies) and 2023 (1,477 companies) among constituents of the MSCI AC Asia Pacific Index (5 Developed Markets and 8 Emerging Markets). The index constituents are as of October of each corresponding year. Given that this assessment was aimed at identifying the number of women CEOs and CFOs, we only accounted for CEOs and CFOs identified as women according to the issuers’ disclosure. As a result, the remaining CEOs and CFOs include both male CEOs and CFOs as well as CEOs and CFOs whose gender have not been disclosed or where there was no information concerning the CEO/CFO available. Source: MSCI ESG Research, October 2023
経営幹部層における女性の登用状況
(MSCI AC アジア太平洋指数)
Note: This chart shows constituents of the MSCI AC Asia Pacific Index that have disclosed the gender composition of their executive management teams by the percentage of women among them for 2023 (1,477 companies). The definition of executive management team may vary by jurisdiction. Source: MSCI ESG Research, October 2023.
参考資料として、英文レポート全文を添付いたします。詳しい内容は弊社リサーチアナリストからお話しさせていただきますので、ご興味をお持ちの場合はお問い合わせください。
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