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投稿者:

ZYAO22編集部

【リサイクル材の安定量産に】射出成形AIによる材料選定支援 – 製造AIベンチャーMAZIN

ELV規則対応に向け定量評価手法を提供します

 


株式会社MAZIN(東京都中央区 代表取締役社長:角屋 貴則、以下、MAZIN)は、材料のロットばらつきを定量評価するアルゴリズムの提供を開始いたしました。
欧州委員会が公表する自動車設計・廃車(End-of-Life Vehicles:ELV)管理に関する規則案等で注目される、ポストコンシューマリサイクル(PCR)樹脂等のリサイクル材等について、ロット間ばらつきの定量評価及び選定支援が可能です。

背景

2023年7月13日に欧州委員会は、自動車設計・廃車(End-of-Life Vehicles:ELV)管理に関する規則案を公表しました。ELVは、新車の製造において使用されるプラスチックの25%をリサイクル材で賄うことを義務付けており、このうち、廃車由来は25%と定める等の内容も含んでいます。

業界が抱える課題

リサイクル材の活用は、資源の循環を促進し環境負荷を減少させることに寄与しますが、ロットごとのばらつきが大きいため、安定した生産のハードルとなっています。

ばらつきの大きな樹脂を選定してしまうと、それに伴って成形条件を調整する手間が大きくなり、成形品質にも影響を及ぼします。安定した連続生産実現のために、適切な材料選定が重要なステップとなっています。

弊社の取り組み

MAZINは、製造現場から得られるセンシングデータを活用し、生産異常検知や生産条件の補正を行う先進的なアルゴリズムの開発に取り組んでいます。
射出成形プロセスにおけるリサイクル材の活用においては、ロットのばらつきを定量化し、適切な材料選定を支援しています。

市場に出回る前の段階で発生する工場の端材などを再利用したPre-Industrial-Recycledプラスチック(PIRプラスチック)と消費者が使用後に回収されるPost-Consumer-Recycledプラスチック(PCRプラスチック)の2種類が存在します。
ELV管理に関する規則案にもあるように、一層の環境配慮から、工場内の端材等に由来するPIRではなく、PCRプラスチックの使用が推奨されています。一方で、PCRは市場に出回り、回収された様々な製品が由来のため、品質にばらつきが生じやすくなる傾向にあります。

上記グラフは、同一品種の異なるロットの樹脂を成形した際に得られたデータを元に、弊社アルゴリズムが抽出した特徴量で形成するクラスタです。ロットごとに異なるクラスタを形成していることが確認できます。

このケースでは、ロットが変わるたびに成形品質の一貫性が損なわれる可能性が高いと考えられます。

このようにロットごとのばらつき具合を定量評価することで、ロットのばらつきが少ない材料選定が可能です。リサイクル材を用いた安定成形を実現する一助となります。

今後の展開

弊社では、上記技術のほかに樹脂粘度の推定等、成形現場で生じる各種課題の解決を目指すアルゴリズムの開発を行なっています。今後、これら技術をベースにした国内外の射出成形機メーカ様やセンサメーカ様との連携を拡大していきます。

■会社概要
代表取締役:角屋 貴則
設立:2018年6月
所在地:東京都中央区日本橋本町3丁目3−6 ワカ末ビル2F
資本金:430,616,734円(資本準備金含む)
事業内容:製造AIの研究開発と販売
URL:https://www.mazin.tech