千葉商科大学「第9回全国高校生環境スピーチコンテスト」結果発表
高校生が持続可能な社会づくりに提言 、最優秀賞は農薬に代わる微生物を研究する山形県の高校生
千葉商科大学(所在地:市川市国府台 学長:原科幸彦)は、全国の高校生を対象とした「第9回全国高校生 環境スピーチコンテスト」の本選を昨年開催し、受賞者が決定しましたので、お知らせいたします。
千葉商科大学賞には賞状および表彰盾と奨学金10万円、優秀賞には賞状および表彰盾と奨学金5万円、特別賞には賞状と奨学金3万円、学校賞には賞状を贈呈しました。
【スピーチ動画】 https://www.cuc.ac.jp/about_cuc/activity/speechcontest/2023.html
結果
千葉商科大学賞(最優秀賞)
「私が作る新時代の農業のカタチ」 下山 こもさん(山形県立村山産業高等学校/山形県)
概要:農薬や化学肥料の代わりに、地域の特産物であるソバと共生するエンドファイトという微生物の活用を提案。学校の演習林から採取したエンドファイトをソバに接種する実験を行い、生育を大きく促進させ、施肥量が少ない条件でも十分に育ち化学肥料を削減できることを突きとめた。微生物を生かして農薬や肥料の使用とコストを減らし、環境への負担を減らせると主張した。
<受賞者(最優秀賞)コメント>
このようなコンテストで最優秀賞をいただきとてもうれしく思います。スピーチでは、誰にでも伝わるような話し方や、専門用語をわかりやすい表現に変えるなど細かい点まで改善していくことに苦労しました。今後も環境にやさしい農業の実現のため、地域へエンドファイトの活用を広げられるように研究を続けていきたいです。
<講評>
実験を重ねていくなかでの驚きや発見がよく伝わり、まるで実験状況を見ているかのようなスピーチでした。効果についても実証されており、下山さんの研究結果データとスピーチ力があれば、農家の方を動かすことができると感じました。身近な地域の資源に着目し、限られた資源を無駄なく活用しながら環境保全につなげられる可能性に気づかされ、大変感銘を受けました。
優秀賞
「『コケに魅せられて』 コケを虚仮(こけ)扱いするな!!」
立石 詩穂さん(群馬県立藤岡北高等学校/群馬県)
概要:季節問わず光合成を一定に行い、スギの14.6倍の二酸化炭素吸収量があるという「苔(コケ)」を庭造りに活用するビジネスモデル「造園×コケ」を提案した。また、発信ツールとして「コケステッカー」を制作するなど社会にコケの魅力を広めることで地球温暖化防止と造園業の隆興をめざす。
「あふれる想い、商品に込めて ~大切な地域の宝を次世代につなぐ~」
小宮 妃奈さん(佐賀県立唐津南高等学校/佐賀県)
概要:「虹ノ松原」の循環型保全プランの研究として、松原の資源を生かしたクラフトジンの企画・開発に挑戦。商品開発名人へのヒヤリングや試作を重ね、松葉パウダーを生葉に混ぜて上質で香り豊かに仕上げた。松葉ジンを飲んだお客さまの保全活動参加にもつながったことや松原への想いを発表した。
特別賞
「未来を守る挑戦」 佐藤 玲菜さん(青森県立名久井農業高等学校/青森県)
概要:肥料の過剰分流出によって起こる富栄養化や環境破壊の解決策として、耐用年数を過ぎた太陽光パネルが原料の鉱物資材スーパーソルを用いて養分吸着させる研究を行い効果を実証。また、微生物を使って野菜の鮮度保持力を高める研究や小中学生に食品ロス削減レシピコンテストの運営を行ったことについて発表した。
「第9回 全国高校生 環境スピーチコンテスト」概要
2023年7月1日~8月31日の期間で、環境に関心のある高校生を対象に「自然エネルギーと私たちの未来」、「SDGsのために、今、私たちができること」という2つのテーマでスピーチ原稿を募集しました。43件の応募があり、厳正なる審査の結果、選ばれた11名が本選に出場しました。
審査員
審査委員長 吉原 毅 城南信用金庫 名誉顧問
審査員 井上 麻矢 劇団こまつ座 代表取締役社長
審査員 笹谷 秀光 千葉商科大学基盤教育機構 教授
審査員 篠瀬 祥子 日刊工業新聞社 総合企画部 部長
審査員 浜島 直子 環境省 自然環境局 生物多様性主流化室 室長
審査員 松下 和夫 京都大学名誉教授/(公財)地球環境戦略研究機関シニアフェロー
審査員 渡辺 美月 千葉商科大学人間社会学部2年生
学生団体 SONE (自然エネルギー達成学生機構 ) メンバー
本学は、1年間で消費する電気とガスの消費エネルギーの総量に対して、千葉県野田市に所有するメガソーラー発電所等の発電量を同量またはそれ以上にする、日本初の「自然エネルギー100%大学」をめざしています。