工研院、台湾企業と連携しチームで出展 アジア最大級の電子展示会に登場
EV向け統合型パワートレインで SiC(炭化ケイ素)技術の強固な研究開発力を披露
2026年01月21日
工業技術研究院
台湾の工業技術研究院(以下、工研院)は、経済部産業技術司の支援のもと、本日(21日)、日本最大級の電子製造関連展示会「NEPCON JAPAN」において、14件の先端技術成果を展示するとともに、「高出力密度・3-in-1 eアクスル(eAxle)」を発表した。本システムは、EVパワートレイン分野のスタートアップである台湾企業「捷能動力科技」と共同で開発されたもので、パワーデバイス、パワーモジュールからシステムまでを一貫して台湾製(MIT)で実現している。すでに第三者機関によるパワートレインシステム試験をクリアしており、高電圧・高出力EV用途における台湾の炭化ケイ素(SiC)技術の研究開発力と応用ポテンシャル、さらには車載半導体における「フルプロセス」対応能力を示すものとなっている。今後、国内外の大手企業との協業を促進し、研究成果の産業化および国際展開の加速が期待される。
画像1:ITRIは、経済部産業技術司の支援のもと、本日(21日)日本最大級の電子製造関連展示会「NEPCON JAPAN」において、14件の先端技術成果を展示し、台湾の炭化ケイ素(SiC)技術における研究開発力を披露した。 写真左より、超能高新材料有限公司エグゼクティブ・アシスタント洪晞元氏、同社ゼネラルマネージャー魏汝超氏、ITRIの電子・光電システム研究所副チームリーダー高國書氏、同 副チームリーダー曾育潔氏、同 研究員高浩哲氏、名古屋大学研究チームメンバー Raymond Tenorio Borres氏、捷能動力科技業務マネージャー小山隆氏、同業務マネージャー徐仲俊氏。
工研院電子・光電システム研究所所長の張世杰氏は次のように述べている。「炭化ケイ素(SiC)は、高効率・高出力密度・高耐圧・高耐熱性に加え、小型・軽量といった特長を備え、現在、世界で最も幅広く活用されているパワー半導体です。工研院は長年にわたり化合物パワー半導体の研究開発に注力し、台湾企業の技術開発支援を積極的に行ってきました。パワーデバイスおよびパワーモジュールを中核とする「EV向けSiCパワー半導体ソリューション」は、すでに台湾国内のファウンドリーおよび実装メーカーにおいて量産・実用化が進められており、車載用システムへの採用実績も有しています。また、『パワーモジュール信頼性テストラボ』を設立し、台湾の車載パワーモジュールメーカーを対象に、信頼性評価および検証サービスを提供することで、製品開発及び量産化を支援しています。」
画像2:ITRIは台湾のEVパワートレイン分野のスタートアップ企業・捷能動力科技と共同で、「⾼出⼒密度・3-in-1 e アクスル(eAxle)」を発表した。本システムは、電動モーター、モーター制御、減速機を一体化するとともに、 ITRIが独自に設計・開発した1700V/400Aの炭化ケイ素(SiC)パワーチップ、モジュールおよび高効率放熱ヒートシンク技術を採用している。台湾企業の高度化・転換を支援し、SiC産業における市場競争力の強化が期待される。
今回の展示では、捷能動力科技と共同で「高出力密度・3-in-1 eアクスル(eAxle)」を発表した。本システムは、電動モーター、モーター制御、減速機を一体化し、工研院が独自に設計・開発した1700V/400AのSiCパワーチップおよび高効率放熱ヒットシンク技術を採用している。すでに第三者試験を通過し、台湾および米国での特許出願も完了している。本成果は、EVパワートレインの国産化と高度なシステム統合力を示すとともに、パワーデバイスと中核するチップレベルからシステムレベルまでの深度ある統合により、台湾企業の高度化・構造転換を支援し、SiC産業における国際競争力の強化に寄与することが期待される。
画像3:ITRIは「NEPCON JAPAN」において、日本・名古屋大学と共同開発した「EV 充電用30kWデュアルアクティブ ブリッジコンバータ試作機」を展示。EV車急速充電市場において求められる高効率・高出力密度の電力変換システムに対するニーズに、具体的に応える技術成果を示した。
NEPCON JAPANでは、見どころが多数展示されている。「EV向けSiCパワー半導体ソリューション」ゾーンでは、工研院が台湾の第三世代半導体材料メーカーである「超能高新」と共同開発した、窒化ケイ素セラミック基板(Si₃N₄ Ceramic Substrate)を展示。高信頼性・高耐熱性を備えた先進パッケージ基板技術として、車載パワーエレクトロニクスに求められる高出力密度および長期信頼性のニーズに対応する。また、日本の名古屋大学と共同開発した「30kW急速充電器用DC-DCコンバータ」も展示し、EV急速充電市場における高効率・高出力密度電力変換システムへの需要に応えている。
さらに「直流マイクログリッド向けパワー半導体ソリューションズ」ゾーンでは、AIデータセンターにおける省エネルギーおよび蓄電ニーズに着目し、化合物半導体パワーデバイス、パワーモジュール、システム統合までを網羅したトータルソリューションを紹介している。例えば、蓄電池エネルギー貯蔵システム(BESS)において重要な変換システムである固体リレー(Solid-State Relay)や、SiCパワーモジュールを統合したソリューションを開発。電力変換効率の向上、システム柔軟性の強化に加え、従来の機械式リレーに比べて信頼性を大幅に改善できる。AIデータセンターやEV乗用車向け充電用途に特に適しており、世界的な電力インフラ市場の開拓に貢献することが期待される。
「GaN(窒化ガリウム)デバイスの実装技術」ゾーンでは、工研院が独自開発した「650V縦型GaNパワーデバイス」および関連パッケージ技術を展示。シミュレーションを活用した最適化設計により、耐圧性能と出力密度を向上させつつ、システム信頼性と製造柔軟性の両立を実現している。今後は、車載駆動・充電システム、産業用ロボットのモータードライブ、AIデータセンターなど幅広い分野への応用が期待され、高効率パワーエレクトロニクス分野におけるGaN技術の成長可能性を示している。
NEPCON JAPANは、アジアを代表する電子製造産業の展示会であり、昨年は延べ10万人以上が来場し、半導体、PCB、オートメーション、車載電子、AIスマート製造分野の世界的サプライヤーおよびバイヤーが集結した。工研院は今年、「EV向けSiCパワー半導体ソリューショ」「直流マイクログリッド向けパワー半導体ソリューションズ」「 GaNパワーデバイスの実装技術」の三大テーマのもと、14件以上の先端技術成果を展示するとともに、台湾の産業パートナーと連携し、研究成果の産業化と国際展開を加速させ、先進電子・半導体分野における台湾企業の競争優位性強化を目指している。