積水ハウス、「男性育休白書 2024」 発表!男性の育休取得率は27.3%、育休取得日数は29.9日と過去最高
「男性の家事・育児力」都道府県別の全国ランキングは沖縄県が1位
2024年9月19日
積水ハウス株式会社
~今年で6年目 日本全国の小学生以下の子どもを持つ男女に男性育休の実態を調査~
積水ハウス株式会社は、男性の育休取得をよりよい社会づくりのきっかけとしたい、との思いから、9月19日を「育休を考える日」として記念日に制定し、2019年から企業で働く男性の育休取得実態を探る「男性育休白書」を発行しています。6年目となる今回、男性育休の質を高めることによるポジティブな変化をレポートします。
■男性育休白書2024特設ページ:https://www.sekisuihouse.co.jp/ikukyu/research.html
①男性の育休取得率は27.3% 男性の育休取得日数は平均29.9日 どちらも過去最高を更新 育休取得率は約2.8倍(2019年9.6%→2024年27.3%)、育休取得日数は12.6倍(2019年2.4日→2024年29.9日)と大きく伸長。取得者の半数は「1カ月以上」取得し、長期化する傾向も。 ②2人目以降の育休取得は、1人目よりも長期で取得する人が多い傾向に 2人目以降で育休を取得した人の取得日数は平均129.9日と長期化。男性の育休取得環境の整備に加え、1人目の経験で必要性を実感したりパートナーの負担軽減を考えたりするなど、男性自身が「取得したい」という気持ちの変化も要因に。 ③育休取得後復職した男性社員、仕事に対するプラスの変化は、取得期間が伸びるほど高まる 復職後の男性は「子どもがいる人への配慮」「お互い様という気持ち・行動」「時間管理の意識」などプラスの変化あり。 ④夫の育休取得は、妻のキャリアアップにも好影響 夫の育休取得に「満足」した女性は、「不満足」な女性と比べ職場への復職率が高く、復職のタイミングも早い。また、夫の育休取得日数が長いほど、妻の「仕事への意欲が増加」「キャリアアップに前向き」「仕事の幅を広げたくなった」など働く意欲も高まっている。夫の育休取得は妻のキャリア形成にもプラスの効果がある。 ⑤「とるだけ育休」の実態 女性の4割が夫の育休を「とるだけ育休」と評価 育休を取得したことで満足してしまう男性も 取得した育休が「とるだけ育休」と思う男性34.8%、女性42.0%。男性の育休満足度や夫婦での家事・育児の分担意識に、男性の「とるだけ育休」の自覚の有無は関係性なし。男性は「とるだけ育休」とわかっていても育休を取得したこと自体に 満足しているのか、家事・育児への影響は限定的。
<決定! 「男性の家事・育児力」全国ランキング2024> 1位:沖縄県 2位:秋田県 鹿児島県 |
当社は、男性社員の育休1カ月以上の完全取得を目指し、2018年9月より特別育児休業制度の運用を開始しました。2024年8月末時点において、取得期限(子が3歳の誕生日の前日まで)を迎えた男性社員2,138人全員が1カ月以上の育休を取得しており、2019年2月以降、取得率100%を継続しています。
「男性の育休取得が当たり前になる社会の実現」を目指して活動を続け、世の中に先んじたダイバーシティを今後も推進し、ESG経営のリーディングカンパニーを目指します。
「男性育休白書2024」 ~企業で働く男性の育休取得実態調査~
6年目となる今回も子育て中のパパ・ママ層9,400人を対象に、男性は自分自身の育休について、女性は夫の育休について回答してもらいました。
① 男性の育休取得率は27.3%、育休取得日数は平均29.9日
どちらも過去最高を更新
今回の調査で育休を取得した男性は27.3%となり、2019年(9.6%)から2.8倍増え、取得率は過去最高を記録しています[図1]。
また、男性の育休取得日数は平均29.9日となり、2019年(2.4日)から12.6倍も長くなり[図2]、育休を取得した男性の取得期間は「1カ月以上」(49.7%)が約半数を占めています[図3]。
平均取得日数が伸びた要因として、6年前と比べ1週間未満の人が63.7%から27.5%と36.2ポイント 減り、6カ月以上の人が3.4%から26.1%と22.7ポイントも増えていることが挙げられます。
②2人目以降の育休取得は、1人目よりも長期で取得する人が多い傾向に
男性が育休を取得し2人以上の子どもがいる人に2人目以降の育休取得について聞くと、「2人目以降で初めて育休を取得」した人が36.8%と多くなっています[図4]。「以前と比べて育休を取る人が増えたから」(女性36歳)、「会社の理解が良くなったから」(男性39歳)など、社会全体が育休を取りやすい 環境へと変化しているようです。
また、1人目も2人目以降もどちらも取得した人の2人目以降の平均取得日数は、129.9日と長期化しています[図5]。「1人目を経験して少しでも長く取得した方がいいと思ったから」(男性34歳)、「子どもの成長を共に感じたかったから」(女性27歳)など1人目の経験による気付きや、「子どもが2人になり、妻の負担を減らすため」(男性31歳)といったパートナーの負担軽減などが2人目以降の育休取得の動機に挙げられました。社会が変化し育休を取得しやすくなったことに加え、男性の「育休を取得したい」という気持ちが長期化の大きな要因となっているようです。
③育休取得後復職した男性社員
仕事に対するプラスの変化は、取得期間が伸びるほど高まる傾向も
育休取得後に会社に復帰した男性に職場での変化について聞き、育休取得が「1週間未満」「1週間〜1カ月 未満」「1カ月〜6カ月未満」の男性で比較しました。
すると、「職場の子どもがいる人へより一層配慮するようになった」(1週間未満27.9%、1カ月未満20.3%、6カ月未満35.0%)や「職場でお互い様という気持ちや行動が増した」(1週間未満 22.5%、1カ月未満 18.9%、6カ月未満25.7%)などの思いやりの気持ちは育休取得1 週間未満でも芽生えるのに対し、 「育休取得予定者の男性に育休を充実させるためのアドバイスをした」(1週間未満11.2%、1カ月未満18.5%、6カ月未満21.3%)、「チームの業務の棚卸や分担の見直しをした」(1週間未満10.5%、1カ月未満21.6%、6カ月未満16.8%)、「自部署において効率的な働き方ができるようになった」(1週間未満10.1%、1カ月未満17.8%、6カ月未満18.1%)などの働き方に関することは、取得日数が「1週間以上」で、より意識が高まる傾向が見られました[図6]。
④夫の育休取得は、妻のキャリアアップにも好影響
夫が育休を取得した女性の意識の変化を聞き、取得期間別で比較しました。すると、夫の育休取得日数が 「6カ月以上」の女性のスコアが高く、「夫婦間での家事・育児のチーム意識が強くなった」(41.8%)、「夫との関係が良好になった」(34.2%)など家庭内の円満さに加え、「仕事への意欲が増加した」(22.8%)、「自身のキャリアアップを前向きに考えるようになった」(20.9%)「自分の仕事の時間を 増やしたり、幅を広げたくなった」(26.1%)など、女性の働く意欲も高めています[図7]。
⑤「とるだけ育休」の実態
女性の4割が夫の育休を「とるだけ育休」と評価 育休を取得したことで満足してしまう男性も
男性が育休を取得しても、家事・育児を行わない 「とるだけ育休」という課題もあります。
自身が育休を取得した男性と夫が育休を取得した女性に、取得した育休が「とるだけ育休」かどうか聞くと、男性は34.8%、女性は42.0%が男性が取得した育休は「とるだけ育休」と答えています。男性の育休取得が「とるだけ育休」になっていると感じる女性が、男性の認識以上に多くなっています。
育休取得日数が長くなると、男性の「とるだけ育休」意識は低下するものの、女性は夫の育休取得日数が
「1カ月以上」でも、約4割(38.6%)は「とるだけ育休」と感じています[図8]。
「とるだけ育休」の認識別に育休期間中の満足度を見ると、夫が「とるだけ育休」と思わない女性は満足度が高いのに対し、「とるだけ育休」と思う女性の満足度は低くなっています。一方男性は「とるだけ育休」と思う・思わないで満足度(思う64.3%、思わない66.4%)に変化はなく[図9]、家事・育児の夫婦での分担割合についても、男性は自分がやっているという意識(思う36.3%、思わない37.1%)に差はありませんでした[図10]。
男性は自分が取得した育休が「とるだけ育休」と認識していてもいなくても、育休中の満足度は変わらず、家事・育児の分担意識も変化していません。男性は「とるだけ育休」と分かっていても、育休を取得したこと自体に満足している人もいるようで、家事・育児への影響は限定的でした。
〈ご参考〉
積水ハウスでは、「家族ミーティングシート」を用いて、夫婦それぞれが育休を取得する目的や取得期間、理想の家事・育児分担を事前に整理する取り組みを行っています。
この取り組みに参加した男性社員の妻143人のうち、夫の育休が「とるだけ育休」と答えた妻は23.8%と少なく、本調査(42.0%)と比べ夫の育休に対する評価が高い結果となりました[図11]。
<決定!「男性の家事・育児力」全国ランキング2024>
男性の家事・育児力調査 1位「沖縄県」、2位「秋田県」「鹿児島県」
積水ハウスでは2019年より、男性の家事・育児力調査を行っています。独自に設定した4つの指標※を都道府県別に集計した結果、全国1位は「沖縄県」(220点/前年7位)、2位は同スコアで「秋田県」(193点/前年46位)と「鹿児島県」(193点/前年28位)となりました。秋田県は前年から大きく浮上しています。
沖縄県知事からのコメント 沖縄県知事 玉城デニーさん
はいさい、ぐすーよー、ちゅーうがなびら。沖縄県知事の玉城デニーです。 今回「男性の家事・育児力」ランキングで、沖縄県が全国1位となったことを大変嬉しく思います。 現在、沖縄県では『第6次沖縄県男女共同参画計画〜DEIGOプラン〜』において33項目の数値目標を掲げ、男女共同参画社会の実現に向けて62の具体的施策に取り組んでいるところです。 男性の育休取得推進に係る事業については、「男性向け講座の実施」や「職場等の理解を深めるために必要な広報・啓発活動」などについて積極的に取り組んでおります。 沖縄県における直近の男性の育休取得率は40.3%であり(出典:『令和5年度沖縄県労働条件等実態調査報告書』)、目標値である30 %を大きく上回ることができました。これもひとえにワーク・ライフ・バランスに取り組んでいる企業や団体等の皆様の多大な御尽力によるものであり、関係者の皆様には深く感謝申し上げます。沖縄県はこれからも、家庭や社会における男女共同参画の実現に向け、全力で取り組みを推進してまいります。まじゅん、ちばてぃ いちゃびらなやーさい!(一緒に頑張っていきましょう) |
※積水ハウスが独自設定した「男性の家事・育児力」を決める4つの指標
積水ハウスでは「男性の家事・育児力」を決める4つの指標を設定しました。1つ目は「女性の評価」で、妻から見た夫が行っている家事・育児の実践数と、夫が子育てを楽しみ家事や育児に積極的に関与しているかどうかを4段階で評価しています。2つ目は男性の「育休取得経験」で、育休取得日数が基準となります。3つ目は男性の自己申告ではなく、妻から見た夫の「家事・育児時間」を基準とします。4つ目は男性の「家事・育児参加による幸福感」で、男性本人に家事・育児に参加して幸せを感じているかどうかを4段階で聞きました。
これら4指標5項目をそれぞれ数値化して47都道府県別にランキングし、1位に47点〜47位に1点を付与、各項目の点数を足し上げることで、都道府県別の「男性の家事・育児力」を算出しました。
積水ハウス執行役員 ダイバーシティ推進部長 山田実和
当社では2018年から男性育休の取得を促進し、日本でも男性の育休取得が当たり前になる社会を目指し、賛同企業の皆様と共に取り組みを進めて参りました。今回、育休取得率も育休取得日数も過去最高になり、社会の変化を感じています。一方で「とるだけ育休」という課題も浮き彫りになっています。
当社では、男性育休を従業員本人とその家族の幸せのために推進し、育休の質にこだわり、「家族ミーティングシート」の活用によって、育休の質の向上をはかっています。どなたでも使っていただけるので是非ご利用ください。 家族ミーティングシート :https://www.sekisuihouse.co.jp/library/ikukyu/pdf/meeting-sheet.pdf
「育休を考える日」が、家庭や職場で男性育休について話し合い、新たな幸せを見つけるきっかけになれば幸いです。 |
▼男性育休を考えるプロジェクト「IKUKYU. PJT」特設サイト
https://www.sekisuihouse.co.jp/ikukyu/
「男性育休白書2024」 調査概要 実施時期:2024年6月14日(金)~6月26日(水) 調査方法:インターネット調査 調査対象: ① 全国47都道府県別に、配偶者および小学生以下の子どもと同居する20〜50代の男女200人 計9,400人、人口動態に基づきウエイトバック集計 (男性の家事・育児力ランキングについては人口動態+12歳未満のお子さまとの同居率もウエイトバック値に加味) ② 従業員10人以上の企業の経営者・役員、部長クラスの男女400人 ③ 有職かつ一般社員クラスの20代~50代の男女800人 調査委託先:マクロミル ※構成比(%)は小数第2位以下を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合があります。 |